タグ

ブックマーク / urawasanatorium.com (6)

  • 哲学者と統合失調症患者の共通点

    哲学者のヴィトゲンシュタインは、統合失調症に近い精神状態をしばしば体験したかもしれませんし、物理学者のニュートン、詩人ヘルダーリンなどもそのように言われています。別の哲学者バートランド・ラッセルの生涯を描いた漫画「ロジコミックス」には、哲学者や論理学者やその周辺には、統合失調症者が明らかに多いと書かれています。現に、ラッセルの子供を含めた近縁には、少なくとも数人の統合失調症患者がいます。 それでは、哲学者と統合失調症患者にはどのような共通点があるのでしょうか? 生物学的に見れば、何らかの共通する遺伝子の発現と言うことになるのでしょう。でも、ここでは、精神病理学的に検討します。 まず最初に、精神医学者のブランケンブルグが書いた「自明性の喪失」(1971)をみてみましょう。 20歳の店員アンネ・ラウは、市販の睡眠薬を70錠飲んで、1964年10月14日に、ドイツのブランケンブルグの働く病院に入

    哲学者と統合失調症患者の共通点
    nawahito
    nawahito 2024/02/26
  • 気づきの力 Power of the Awareness その3

    気づきの力に注目するのは、気づきは何か豊かなものを人に与えてくれるからです。 ニュートン(Sir Isaac Newton、1643年1月4日 - 1727年3月31日、英国)は、リンゴが木から落ちるのを見て、万有引力に気が付いたといわれます。ニュートンは感動したことでしょう。リンゴが落ちているのではない。リンゴと地球が引き合っているのだ、と。 しかし、そんなことを周囲には簡単には言えないでしょう。感動を伝えられない。なぜなら、一般人は木からリンゴが落ちるのは当たり前のこととしているからです。「そんなこと当たり前だろ」と言われるかもしれません。 ニュートンはなぜ気づいたのでしょう。いや、気づかされたのでしょう。そこには、長い間の準備段階が必要です。それまでの科学を勉強し知識を身に着けて新しい課題に取り組む。何故だろうかと疑問を持ち、分からないことに煩悶する。それをぜひ分かりたいと強く思う。

    気づきの力 Power of the Awareness その3
    nawahito
    nawahito 2023/10/13
  • 気づきの力 Power of the Awarenss その1

    はじめに 「気づきが大切」などと聞くことがある。心理学の領域で、よく使用される言葉である。あまり意味が分からないまま、心の片隅にあった。何か大切なこと、ひっかかることが、潜在意識の中に留め置かれることがある。それが何かの拍子に意識に浮かんできて、一粒の結晶を生む。「留め置く」のは自分ではなく、自分を超えた何かが関与するように思う。 このような「気づき」を少しずつ考察していきたいと思う。 日々の生活の中で、個人の問題だとか、仕事、組織の問題などで壁にぶち当たる。問題を解決して先に進みたいがなかなか進めない。そこを突破したい。 当たり前にまじめに考えているとどうしても壁を越えられない。あるいは、越えられるとしても、常識的な方法では、時間もお金もひどくかかり、良いとはいいえない。短時間で、省エネで、金もかけずに解決しない限り実現できない。何らかの方法があるのか。 それを突破するアイデアに気が付く

    気づきの力 Power of the Awarenss その1
    nawahito
    nawahito 2023/05/09
    “気づきの力 Power of the Awarenss”
  • 偉人のうつ病について  白隠の場合

    江戸時代の禅僧である白隠(はくいん)の生涯を彼に生じた精神症状を合わせてお話ししたいと思います。白隠は、1685年静岡県の東海道13番目の原宿の比較的裕福な家に生まれました。15歳の時に得度して、慧鶴(えかく)と名づけられました。原にあった臨済宗の松蔭寺の見習い僧から修行をはじめ、19歳の時から14年間雲水修行の旅に出ます。長野飯山の禅師 恵端(えたん)の元で一旦悟りを得ます。しかし、その後、厳しい座禅修行を事や休養を無視して継続したためか、重い神経症、またはうつ病と思われる精神状態を呈します。その後、白幽(はくゆう)という深山の隠者に秘法を伝授してもらい、それによって症状は軽快、原宿の松蔭寺に戻り修行を続けるとともに雲水たちの指導を行います。松蔭寺は臨済宗の山である妙心寺などとは異なり、田舎の無名の寺ですが、白隠の評判は日に日に高くなり、全国から雲水が訪れるようになりました。その結果

    nawahito
    nawahito 2023/04/03
  • 人格水準の低下(医療関係者向け)

    はじめに 「人格水準の低下」は、「人格障害」、「人格の荒廃」と並んで恐ろしい精神医学用語である。「人格」とは、人間にとってもっとも大切なものの一つであり、人間そのものだともいえる。それが低下してしまってはたまらない。人間の価値の低下のように思われてしまう。 「あなたに、胃癌が見つかりました」という時には同情が伴う。お気の毒にと思う。しかし、「あなたには、人格水準の低下があります」ともし言ったとしたら、同情ではなく、告知者から非告知者に対する陰性感情の表明というニュアンスが含まれる。そのほかにも、精神分裂病、感情鈍麻、人格水準の低下、いずれも同様の意味で問題のある用語である。できればより良い名称に改めるべきだ。 より望ましい用語へ こんな症状を引き起こすことが可能な病気は精神疾患だけだ。精神疾患は夢や希望を奪う。経済的問題も引き起こす。当院の患者さんの1/3が生活保護受給者で、もう1/3が非

    nawahito
    nawahito 2023/02/18
  • 幻聴 その捉え方(医療関係者初学者向け) - 浦和神経サナトリウム

    幻聴の特性 幻聴というのは、当に不思議です。患者さんの体験することは、おおかた想像のつくものが多いし、被害妄想だってなんとなくわかります。パニック障害だってわかるし、それに近い体験だって多くの人がしたことがあるでしょう。眠れないときもべられないときもあります。だから、自分の体験の延長上にある感覚で多くの症状がそこそこ理解できます。ところが、幻聴だけは異なります。もちろん幻視もですけれども。 わかると思うから、自分の意見を言ったり、さばいたりする間違いを治療者側はしょっちゅう起こします。これが精神医療の永遠の問題でもあります。自分の延長線上でわかったと思うのは間違いです。尊重などと口にするが、自分はわからないのだということをわかることが尊重への第一歩でしょう。いい精神科医療のためには、優れた想像力が必要ですが、人間だからいつも至りません。 というわけで、自分で体験できないし、何かの延長線

    幻聴 その捉え方(医療関係者初学者向け) - 浦和神経サナトリウム
    nawahito
    nawahito 2023/01/18
  • 1