ブラックミュージックをベースとしたポップスを鳴らすバンドが増えたことによって、「シティポップ」というワードがシーンを席巻した2015年を経て、2016年は、その枠組みを面白がるのではなく、個々のバンドの特徴こそを面白がろうという流れに変わっていった。共に今年デビュー作を発表したRAMMELLSとNulbarichは、まさにそんな空気のなかで登場したバンドである。そして、ジャズやヒップホップといった音楽性以上に、「ここからまた上を目指すんだ」という静かな情熱こそが、この2バンドの最大の共通点であるように思う。 そこで今回はRAMMELLSから真田徹と黒田秋子、NulbarichからJQを迎え、それぞれに「バンドにとって大切だった1曲」と「2016年を語る上で欠かせない曲」を挙げてもらい、そのリストを基にこの1年を振り返ってもらった。その選曲はやはりひとつの枠組みでは到底語れない、それぞれの個