『週刊ダイヤモンド』 2012年3月10日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 927 まもなく東日本大震災から1年になる。福島第一原子力発電所から20キロメートルの川内村は、計画的避難区域に指定され役場機能が移転した県内九町村の1つである。村長の遠藤雄幸氏は1月末、9町村の中で初めて全村民に「戻れる人から一緒に村に戻ろう」と呼びかけた。6世帯が応じ、それ以前から村に戻っていた人々を含めると、現在、村には全村民約3,000人の1割弱に当たる約250人が暮らしている。 村長が帰村に向けて語った。 「3月24日と25日の両日で、村役場の職員60人全員が村に戻ります。4月1日の新年度から仕事を村で再開します。小中学校も保育園も保健センターも再開し、皆が安心して戻れるように放射能の除染を進めます。皆で使う公共施設の除染はめどがつきました。一般家庭は調査を進めています。雪で時間がかかってい