刑罰や福祉の努力もむなしく、男はまたも自動車盗を繰り返した。男には重度の知的障害があり、前回の自動車盗では無罪となっていた 重度の知的障害を理由に心神喪失状態だったとして、一度は無罪とされた京都市内の男(36)が3月14日、同じ自動車盗を繰り返したとする常習累犯(るいはん)窃盗罪で起訴された。男は、出所後すぐに罪を犯して服役することを4、5回繰り返した「累犯障害者」だった。 「車見てたら欲しくなる」今回の犯行は京都市内にある自動車販売会社の整備工場が舞台だった。2月22日午後、事務所で昼休みをとっていた男性工員(22)は、聞こえるはずのないエンジン音を耳にした。 窓越しに外を見ると、さっきまで整備していた中古車(20万円)が向きを変え、エンジンが空ぶかしになっている。だれかがギアを入れずにアクセルを踏み込んでいるらしい。ほどなく男が降りてきて、傍らの自転車に乗り換えると、車を置いたまま走り