「悪意がない」を免罪符にする人を相手にするのが苦手だ。意図的であれ、モノホンであれ、悪意ナッシングより悪意アリの方が断然与し易い。今、僕が仕事で直面しているのが(おそらく意図的な)「悪意はないんすよー」人間で、あんたの悪意の有無に興味もクソもないので金は支払おうよ、というだけの話なのだけどうまくいかない。なぜなら、悪意がないといえば許される、見逃されると考え、自分の行為を省みないからだ。反省をしない。これはある意味無敵なのだよ。 現在進行中の争い事の話をするのはアレなので昔の話をする。昔々、といってもたかだか10年くらい前の話だ。僕は元上司(故人)の命令で支払いが滞っている得意先に向かった。そこはお年寄り向けデイサービスで、僕の会社はそこで使われる食材を納品していた。僕は預かってきた請求書をそこの代表(故人)に渡した。代表は高齢のじいさんで、請求書を傍にいた役員を務めている夫人(故人)に渡