産業革新機構による出資で決まりかけていたシャープの再建計画が土壇場でひっくり返った。既定路線に待ったをかけたのは社外取締役だ。約7000億円超を出すという鴻海(ホンハイ)精密工業の案を蹴って、約3000億円を出資する革新機構案を選んだのでは「取締役として善管注意義務違反に問われかねない」という危機感があったのだろう。 事態は先週末に一変した。来日したホンハイの郭台銘(テリー・ゴー)会長はシャープに対する支援額を7000億円超に積み増した。郭会長は経済産業省にも乗り込み、ホンハイとシャープの資本提携は「台湾と日本にとってウィン・ウィンの関係になる」と力説した。対する産業革新機構も谷山浩一郎執行役員がシャープに赴き、具体的な支援案を説明した。 シャープは両者の案を比較表にまとめ、参考資料として2月4日の決算取締役会に付した。社外取締役の一部が資料を見て顔色を変えた。 「(出資額がホンハイ案の半