宮城県色麻町が町内の全約2000世帯に災害情報などを一斉放送する国内初のデジタル無線網事業が破綻したことが2日、分かった。家の中に安定した電波が届かず、通信に必要な周波数の帯域幅も足りなかったことが原因。町は震災復興関連の補助金など総額約3億7000万円を投じており、巨額の公費が無駄になる可能性が高い。 ◎3億7000万円公費無駄に 町が設置した情報通信施設検証委員会の報告書によると、国内で認められていない規格外の無線機が一部で使われていた。アンテナと無線機の配線は特殊な構成で、電波の干渉を避ける工夫も十分練られていなかった。 検証委は、現状の設備で受信できる範囲は300世帯程度が限度と判断。設計業者の基本的な知識が欠落していたと指摘し、「全世帯への一斉放送は実現できない」と結論付けた。 事業は2011年に始まった。町は全国の市町村で初めて無線局の免許を取得し、高速無線通信「地域WiMAX