70年代の邦画が好きかなあ、と思う。 自分のことなのに「思う」と煮え切らないのは、「好きだ!」と断言できるほどの数を観ていないからだが、これまで観てきた映画のなかで、70年代および80年代日本映画の占める割合がけっこう高いことは間違いない。 70年代というと、評者が5歳から15歳の時期にあたる。中坊以下の年齢なので映画館ではほとんど観ていない。そのころ「日本映画名作劇場」という番組をテレビ東京が土曜の夜にやっていて、それを毎週毎週楽しみに観ていたのだ。 「日本映画名作劇場」は映画秘宝編集部編『日常洋画劇場』(2002年)でも取り上げられていたが、この本の副題どおり「映画のことはぜんぶTVで学んだ!」わけだ。「映画秘宝」のムックで言及されるくらいだからセレクションがどこか偏重気味で、この番組以外ではテレビ放映されたことのないような映画ばかりかかっていた記憶がある。 80年代はまたちょっと違っ