猫がいなくなった。ノラ猫だ。近所の道路や駐車場を歩いていたり、近隣の家の庭や僕の車の下で昼寝をする姿を見かけたオスのキジトラで、尻尾が短くて丸くてお団子みたいだったので、勝手に「ダンゴ」と名付けて呼んでいた。初めて見かけたのは2015年の春先だ。隣家の自家用車の屋根の上にいて、出勤中の僕と目が合ったのだ。口もとが真っ白なのが印象的な、子猫だった。それからは毎日のように姿を見かけるようになった。何日か見かけないときは妻さんと「今日はお出かけかね」「猫は自由でいいよね」なんて話をしたものだ。台風の日や雪の日は「あの子大丈夫かな」と心配した。ダンゴは鈴や首輪もしていなかったけれど、毛並みも綺麗で少し太り気味だったのでどこかのウチでゴハンをもらっていたのだと思う。さいわい、といってしまっていいのかわからないけれど、我が家の周りも高齢化の直撃を受けていて、毎日サンデー状態のおじさんたちが日中ぶらぶら
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