墓地から死体を盗み、火葬場で骨を拾い…「人骨黒焼き職人」の信じがたい所業 人骨黒焼きは、本当に効いたのか? 昭和56年(1981)の春、岡山県で一人の老人が逮捕された。彼の名前は黒神信二(仮名、当時72歳)。容疑は薬事法違反だったが、黒神が製造・販売していた薬が原因となって、この事件は大きく報道されることとなる。彼はなんと人間の骨を「黒焼き」にして、売りさばいていたのだった…。 【前編】『人間の骨を「黒焼き」に加工し、“薬”として町内で売り歩いた「常習犯」の正体』に引き続き、現地取材を経て明らかになった彼の素顔を解き明かしていきたい。 民間療法の頂点にあった「人骨黒焼き」 黒神を幼いときから知る人が言うには、彼が人骨黒焼きの製造を始めたのは、第二次大戦後ほどなくしてからだったらしい。昭和20年代である。 黒神は岡山県の山間の村で生まれ育ったが、そこは戦後になってもしばらくの間、まともな医療