ローマの観光名所、円形闘技場コロッセオの床が、古代ローマ時代の姿に復元される見通しとなった。 イタリア政府は文化財の維持費不足に苦しんでいる。復元後、コロッセオでコンサートなどの文化事業を行い新たな収入源にしたい考えだ。 伊文化省が4日、関連予算1850万ユーロ(約25億6000万円)を承認し、フランチェスキーニ文化相がツイッターで「約束は果たされた。コロッセオがアリーナ(闘技場)を取り戻す」と述べた。昨秋、考古学者の提案を受け、文化省が復元を検討してきた。 1世紀に完成したコロッセオでは、市民の娯楽として猛獣や剣闘士の戦いが繰り広げられた。当時、戦いの舞台となった中央部には、木製の床が張られていたことが分かっている。現在は、地下の遺構がむき出しになっている。 復元を巡っては、「税金の無駄遣い」「損傷を与えかねない」との批判も根強い。(ローマ支局 青木佐知子)