暮らしに困っている人の自立を助ける仕組みとして4月に始まった生活困窮者自立支援制度が十分に機能していない。厚生労働省のまとめでは、10月までの相談件数の全国平均は目標を下回った。低年金の問題から高齢者のニーズも多いとみられるが、手助けが必要な人の掘り起こしの難しさが浮き彫りになっている。 この制度は「第2のセーフティーネット」と言われ、「最後のセーフティーネット」の生活保護を受ける前に就労を後押しする目的で始まった。厚労省は福祉事務所がある自治体に相談窓口の設置を義務づけ、「人口10万人あたり月20件」という目標を設定。非正社員のほか、福祉事務所を訪れても生活保護を受けていない人(約40万人)やニート(推計約60万人)の利用を想定して算出した。 10月までの7カ月間で全国の自治体が受けた相談は計13万9793件で、1万6193人が就労支援の対象になり1万1449人が就労した。ただ、人口10