タグ

ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (255)

  • 税制改革の10の嘘 - himaginary’s diary

    トランプ減税の売り込みに当たって吐かれた10の嘘をクルーグマンが挙げている。 米国は世界で最も税金の高い国である トランプは自らの力を誇示するためか何回もこの嘘を繰り返すが(直近はここ)、実際にはGDPに対する税金の比率はOECD平均が34.3%に対し米国は26.4%である。 相続税によって農家やトラック輸送業者が一家離散の憂き目に遭っている 1970年代後半に免税水準が現在価値にして約200万ドルに引き上げられて以来、農家に関するそうした事例は一つも無いのではないか。 トランプは農家に加えてトラック輸送業者がそうした憂き目に遭っているとしたが、対象は1100万ドル以上のトラックを抱えている業者になる。 Center on Budget and Policy Prioritiesによれば、実際には270万件の遺産のうち相続税を支払うのは0.2%の5200件で、さらにそのうち小農家や小企業は

    税制改革の10の嘘 - himaginary’s diary
  • 汚染は企業価値を最大化するのか? デュポンの場合 - himaginary’s diary

    というNBER論文をジンガレスらが上げている(ungated版、関連ProMarket記事)。原題は「Is Pollution Value-Maximizing? The DuPont Case」で、著者はRoy Shapira(IDCヘルズリヤ)、Luigi Zingales(シカゴ大)。 以下はその要旨。 DuPont, one of the most respectable U.S. companies, caused environmental damage that ended up costing the company around a billion dollars. By using internal company documents disclosed in trials we rule out the possibilities that this bad outc

    汚染は企業価値を最大化するのか? デュポンの場合 - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2017/10/09
    昔の米国の映画で企業には”計算屋”というのがいて、安全対策しなくて事故が発生した場合と安全対策した場合のケースの費用を計算して行動を決定してるとか言っていた。本当にあるかは知らん。
  • ノーベル賞経済学者は格差拡大をどう見ているか - himaginary’s diary

    引き続きリンダウ・ノーベル賞受賞者会議ネタ。同会議では、格差に関する懸念が大物経済学者から相次いで表明された、とシティ大学ロンドンのSteve Schifferes金融ジャーナリズム教授がThe Conversationで報告している(H/T Mostly Economics)。 以下は同記事に記された各学者の指摘の概要(括弧内は受賞年)。 ジャン・ティロール(2014) 経済格差はそれ自体が「市場の失敗」の一形態。 格差拡大の政治や社会への影響が、トップクラスの経済学者の関心をますます集めているのは確か。 ジェームズ・ヘックマン(2000) 他の西側民主主義国に比べて米英で格差が急速に拡大した。富裕層を優遇する税制変更がその主因。 社会の移動可能性がとりわけ所得の低い人で低下したことも懸念要因。 過去数十年に急増した一人親家庭の多くが低所得であったことも、格差拡大に寄与した。 ワーキング

    ノーベル賞経済学者は格差拡大をどう見ているか - himaginary’s diary
  • 米経済学者版2ちゃんねるに見る女性差別 - himaginary’s diary

    ジャスティン・ウルファーズもNYTで紹介しているが、経済学者向けのインターネット掲示板を分析した論文が話題を呼んでいる。以下はイリノイ大のJeffrey R. Brownが自ブログでその論文を取り上げたエントリからの引用(H/T Economist's View)。 In case you are not following the discussion on Twitter and other social media sites, Alice Wu, who will be entering Harvard’s Ph.D. program in economics this fall, used machine learning techniques to dig through more than a million comments posted on the online por

    米経済学者版2ちゃんねるに見る女性差別 - himaginary’s diary
  • インフレの金融財政理論 - himaginary’s diary

    David Andolfattoが、Binyamin AppelbaumのNYT記事を元に、インフレを説明する4つの理論を改めて整理している(H/T 石町日記さんツイート)。 マネタリスト 物価水準はマネーへの需要に対する相対的なマネーの供給によって決まる。従って、インフレはマネーの供給の伸びからマネーの需要の伸びを差し引いたもので決まる。 この理論は、保守派の経済学者が、マネーの大規模な供給のためにインフレが迫っている、と予測したために信用を失った。 フィリップス曲線 ジャネット・イエレンなどFOMCメンバーが支持。 インフレ率が失業率(=総需要の代理変数)と負の相関を持つという実証的証拠に基づいている。 データの解釈は概ね次の通り:財・サービスの需要が高まると、企業は雇用を増やし、失業率が下がる。そのため労働者が賃上げを要求できるようになり、そうした費用は製品価格の値上げによって消費

    インフレの金融財政理論 - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2017/08/08
  • クルーグマンが速水総裁を称賛した時 - himaginary’s diary

    クルーグマンをリフレ派の開祖と呼ぶのが適切か、というツイッター上の議論を目にしたが、そこでuncorrelated氏は、量的緩和を偏重するか否かをクルーグマンといわゆるリフレ派との違いとして挙げていた。確かにクルーグマンはバーナンキを量的緩和偏重と批判したことがあり、その点ではむしろバーナンキの方がクルーグマンよりもリフレ派に近いと言えるかもしれない。ただし、そのバーナンキがテーパリングを検討し始めた時にはクルーグマンは猛反対しており、効果が乏しいと貶したはずの量的緩和でも、巻き戻すとなると誤ったシグナルを発することになる、という認識を示している。逆に言えば、いわゆるリフレ派的な量的緩和でもクルーグマンが望ましいと考えるシグナルを補強するのに役立っているわけで、その点で両者の議論の差はuncorrelated氏が強調するほど大きくないようにも思われる。実際、代表的なリフレ派である田中秀臣氏

    クルーグマンが速水総裁を称賛した時 - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2017/07/19
  • 経済学の批判者が見逃しているもの - himaginary’s diary

    14日エントリで小生は、ガーディアン紙の経済学批判記事を取り上げ、最近の潮流からすると今更感のある記事、と評した。小生の言う最近の潮流は、主にノアピニオン氏が以前にブルームバーグ論説で紹介した経済学の傾向を指していたが、当のノアピニオン氏が14日付けのブルームバーグ論説で当該のガーディアン紙記事を批判した。以下はその冒頭。 At this point, blanket critiques of the economics discipline have been standardized to the point where it’s pretty easy to predict how they’ll proceed. Economists will be castigated for their failure to foresee the Great Recession. Some

    経済学の批判者が見逃しているもの - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2017/07/16
  • かつて正しかった理論 - himaginary’s diary

    「Formerly True Theories (Wonkish and Self-Indulgent)」と題したエントリでクルーグマンが、かつては正しかったが、それを生み出した背景ゆえに成立しなくなった理論の例として以下を挙げている。 マルサス経済学 人口圧力が生産性の利得をすべて吸い上げてしまうため、大部分の人々は生存のための最低限の生活を余儀なくされる、という理論。 メソポタミアに文明が出現して以来の60世紀のうち58世紀は正しかった。 現代経済学流の考え方をしたマルサスのような人を生み出した潮流(知的好奇心、体系的な徹底した思考、科学的態度の勃興)そのものが、技術進歩を促し、マルサス的な罠から世界を救い出した。 ヒュームの正貨流出入機構論*1 1752年の「Of the balance of trade*2」は、経済学の発展において画期的な著作であり、明示的な数学は無いものの、単純

    かつて正しかった理論 - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2017/07/12
    まあ、58世紀も続くと、種族の記憶として定着してしまうか・・・
  • オブズフェルド「消費税はやはり引き上げよ」 - himaginary’s diary

    オブズフェルドらがIMFブログで、日における財政政策と金融政策の協調のあり方について論じている。おそらく後で日語版も追加されると思うので、要点のみピックアップしてみる。 財政と金融政策(および構造改革策)の協調は、包括性(相乗効果が存分に発揮されること)と整合性(共通の目標へのコミットメントによる長期予想の安定)の2つがポイント。 日の金融政策の低インフレ対策は、財政政策の非整合性――短期的な金融政策補助の必要性と、中期的な公的債務削減の重要性――によって妨げられてきた。 FTPLは消費者の政策予想に関して危うい仮定に立脚しており、国債が安全資産の地位を失って金融政策が財政の支払いを保証する、という政策の信頼性を損なう事態に陥る危険性を秘めている、 消費税の二度に渡る延期は、整合性と信頼性という点で財政政策の効果を弱めた。 オブズフェルドらの提案は以下の通り: 消費税は、財政の持続可

    オブズフェルド「消費税はやはり引き上げよ」 - himaginary’s diary
  • 何が1990年以降の貿易量の増加をもたらしたのか - himaginary’s diary

    クルーグマンが、最近は貿易量の増大の話は旬ではなくなった――一つには貿易量がプラトーに達したため、もう一つにはトランプという喫緊の課題が出てきたため――と断りつつも、1990年から大不況前までの貿易量の増大をもたらしたメカニズムについて考察している。 そこで彼は、輸送コストなどの障壁が、経済学者のいわゆる「有効保護率」と同じ働きをするのではないか、という考えを示している。 有効保護率という概念について彼は次のように説明している:輸入代替産業の保護を試みるある国が、自動車に関税を課すが自動車部品には関税を課さない場合、その国は事実上、自動車の組み立て産業を保護していることになる。 例えば自動車の関税率が20%であると同時に、価値にして輸入車の半分を占める部品は関税なしに輸入できるものとすると、自動車組み立て産業のコストが輸入先よりも40%割高だとしても、その産業は成立する。従って20%の名目

    何が1990年以降の貿易量の増加をもたらしたのか - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2017/06/17
  • インフレは貧困家庭を苦しめるのか、それとも助けるのか? - himaginary’s diary

    EconospeakのProGrowthLiberal(PGL)が、カンザス連銀総裁のエスター・ジョージの以下の発言を紹介している。 Keeping monetary policy easy to achieve higher inflation has the potential to push rents still higher, negatively affecting a large percentage of households. Consequently, I am not as enthusiastic or encouraged as some when I see inflation moving higher, especially when it has been driven by a sector like housing. Inflation is a ta

    インフレは貧困家庭を苦しめるのか、それとも助けるのか? - himaginary’s diary
  • 財政刺激策と中央銀行の独立性を調和させる - himaginary’s diary

    アデア・ターナーが、現在の世界的な景気回復は財政政策によるものだ、という見方を表題のProject Syndicate論説(原題は「Getting Fiscal Stimulus and Central Bank Independence In Synch」)で示している。 Until early last autumn, the global economy seemed stuck in a deflationary trap. ... Only six months later, prospects seem transformed, with widespread upgrades to growth and inflation forecasts. ... Growth forecasts are up because fiscal policy has been relaxed

    財政刺激策と中央銀行の独立性を調和させる - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2017/05/15
    「世界全体で別の惑星に対して通貨を減価させて」よくわからんが、減価するには全世界で一斉に緩和すれば別の惑星用意する必要ないのでは?外国為替はかわらんので輸出力は変わらんが借金の負荷は減るような?
  • 緊縮策はミクロ的にも反生産的? - himaginary’s diary

    と、今回のサイバー攻撃を例にクリス・ディローが論じている。というのは、国民保健サービス(NHS)ではIT投資をケチったために被害が大きくなった、という報道を目にしたためである。記事によると、システムの多くでウインドウズXPが依然として使われており、2015年にはジェレミー・ハント保健相が高額のサポートパッケージを経費節減の一環で解約したという。ディローは、修復やITシステム更新の費用は当初の節約額を上回るのではないか、と推測している。 同様の例としてディローは以下を挙げている。 刑務所職員の数を減らしたところ、暴動が起きたり再犯が防げなくなったりした 洪水対策費を節減したところ、復旧費が増加した ソーシャルケアを削減したところ、入院する人が増えてNHSの費用が増加した 精神治療費を削減したところ、警察の支出が増加した 学校への支出を削減したところ、親たちの学校への寄付という隠れた税金が増加

    緊縮策はミクロ的にも反生産的? - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2017/05/14
    無駄か必要なものか判断は難しいことではある。無駄を削ったつもりが返って費用増大する事もたまに発生するのは仕方ないかもしれない。でも、削減する場合は他の事例等確認して少しずつ慎重にやってほしい。
  • 金持ちはますます金持ちになっているわけではない - himaginary’s diary

    と題したエントリ(原題は「The Rich Aren't Getting Richer」)でマンキューが、Fatih Guvenen(ミネソタ大)とGreg Kaplan(シカゴ大)の論文「Top Income Inequality in the 21st Century: Some Cautionary Notes」の一節を引用している。 以下はその引用部。 Since 2000, different measures of top income inequality have exhibited very different trends. Top income shares based on measures of total income show a continued rise, whereas top income shares based on wage and salar

    金持ちはますます金持ちになっているわけではない - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2017/04/16
    なんか、グレッグ君のびーみたいになってきた?
  • 生産性は賃金を引き上げるか? 産業別データによる実証結果 - himaginary’s diary

    BOEブログに産業別の生産性と賃金の関係を分析した表題の記事が上がっている(原題は「Does productivity drive wages? Evidence from sectoral data」)。そこでは、3つの設問に対してデータから回答を試みている。 生産性の高い産業は賃金も高いか? イエス。産業間の実質生産性と実質賃金の相関は、賃金の実質化にCPIを用いた実質賃金(real consumption wages=RCW)と産業別価格デフレータを用いた実質賃金(real product wages=RPW)のいずれにおいても、常にプラスである。 生産性成長率が高い産業は賃金成長率も高いか? 生産性の成長は産業ごとのばらつきが大きく、年率成長率の標準偏差は、低下傾向にあるものの、平均して約6%ポイントになる。 生産性成長率と実質賃金の相関は、RCWについては無きに等しい。 RPWと

    生産性は賃金を引き上げるか? 産業別データによる実証結果 - himaginary’s diary
  • マンキューの規制提案 - himaginary’s diary

    マンキューがブログでユナイテッド航空の搭乗拒否騒ぎを取り上げて以下のように書いている。 The story about United dragging a passenger off an overbooked plane highlights how crazy the current system is. I would not go so far as to say that airlines should never overbook, but it seems that when they overbook, they should fully bear the consequences. They should be required to keep raising the offered compensation until they get volunteers to gi

    マンキューの規制提案 - himaginary’s diary
  • 人口と内戦 - himaginary’s diary

    というNBER論文をダロン・アセモグルやサイモン・ジョンソンらが書いている(ungated版)。原題は「Population and Civil War」で、著者はDaron Acemoglu(MIT)、Leopoldo Fergusson(ロス・アンデス大)、Simon Johnson(MIT)。 以下はその要旨。 Medical and public health innovations in the 1940s quickly resulted in significant health improvements around the world. Countries with initially higher mortality from infectious diseases experienced greater increases in life expectancy, po

    人口と内戦 - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2017/04/13
  • 米税制改革は日本型を目指す? - himaginary’s diary

    Alan Auerbach(UCバークレー)とMichael Devereux(オックスフォード大)が、共和党の仕向け地キャッシュフロー税(DBCFT)を支持するNYT論説を書いている(H/T Econospeak)。その中で、良くある批判に対して以下のように反論している。 複雑すぎる トランプ大統領も一時期そう批判していたが、実際には現状よりかなりシンプルになる。 この税制は税負担を国内のキャッシュフローだけを基に算出する。オフショアや国境を越えた取引を算入しなければならない現行税制の方がはるかに複雑。 企業が業務や利益をオフショアに移すインセンティブを失わせるので、そうした動きを封じるために長年積み重ねられてきた複雑な税や規制の手段も無くすことができる。 十分に累進的ではない 政治的に左派の人からこうした批判があるが、実際には現状より累進的になる。 この税制の税負担は企業資の所有者に

    米税制改革は日本型を目指す? - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2017/03/09
  • 2017-01-09 - himaginaryの日記

    文藝春秋1月号の浜田宏一氏の寄稿を受けて改めてFTPLが一頻り話題になっているが、昨年11月に紹介したインタビュー記事でブランシャールは、FTPLに対して否定的な見方を示した。その否定発言は、同じインタビューシリーズのジョン・コクランの話が持ち出されたのを受けたものである。そこで今日はそのコクランのインタビュー記事から幾つか引用してみる。 まずは、コクランが信奉するもう一つの経済理論である新フィッシャー主義(フィッシャー式逆さ眼鏡派)*1とFTPLの関係について述べた部分。 Q: So the Neo-Fisherian view suggests that, if the central bank pegs the interest rate, the inflation rate will be stabilized? C: Yes, but with a big asterisk.

    2017-01-09 - himaginaryの日記
  • 一般に広めたい5つの経済学用語 - himaginary’s diary

    をノアピニオン氏がブルームバーグ論説で挙げている。 内生性 相関関係と因果関係は違う、ということは誰もが知っているが、なぜか忘れがちである。この言葉はそれを覚えておくのに役立つ。 あることが原因か結果か(もしくはその両方か)分からない時には内生的である。 例:大卒の人が収入が高いのは学歴のお蔭か、それともそもそも賢くて勤勉でコミュニケーション能力のある人が大学にいくのか? 結婚を長続きさせる人々や健康に良い品などのメディアの伝える話に対して、内生性はどうか、と考える習慣をつけるべき。 限界 対 平均 経済学者は「限界的には」という言葉を良く使う。これは全体的な大きな効果ではなく小さな変化を指す。 例:金融業界は大きすぎる、という議論において、擁護者は同業界は多大な価値を生み出していると言い、批判者は経済を損なうことなく同業界を縮小することは可能、と言うが、両者が共に正しいこともあり得る。

    一般に広めたい5つの経済学用語 - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2017/01/08