大沖は、東方の同人誌や、『はるみねーしょん』、『ひらめきはつめちゃん』などの作品において、主人公のキャラクターの性格造形を、ほとんど同じように描いている。違うのは服装や髪形ぐらいで、それでもとぼけた表情は共通している。また、それぞれの作品の内容も同音異義語を軸としたギャグ4コマである点も共通している。こうした作品の作り方は、あの大沖チルノのパロディを、自ら行っているようにも見える。現在において、あるキャラクターや作品のパロディが広がることは、あるキャラクターが、元の作家の手を離れ、そのキャラクターを媒介としたリゾーム型のシミュラークルの世界へ投げ出されることを意味する。そこでは作家の手を離れ、2次設定が付加された操作不能なキャラクターが生まれる。現在では、作者は、キャラクターとの関係において、今までのような上下関係ではなく、キャラクターが作品を越境し様々な場所で生成されるその度ごとの瞬間に