池田市内を歩いていると、道路脇の本棚をのぞき込む人に出会う。「まち角の図書館」。文庫本や児童書など300冊ほどを収めたガラス扉付きの本棚が、市内に13か所あり、誰でも自由に借りられる。 「読まなくなった本を再利用できないか」と市民らが実行委員会を作り、1989年に市役所前の公園に1号館を設置した。その後、バス停横や敬老会館前などに増設。無人で無施錠、借りる際の手続きもいらない。貸出期間の制限もなく、読み終わったら返せばいい。 図書館の管理はそれぞれ、近くに住む実行委のメンバーが担い、棚を整えたり、利用者の要望を聞いたり。市が月2回、連絡のあった市民の自宅などを訪ねて本を受け取り、本棚に補充する。実行委の3代目会長・有田稔さん(70)は「本を大切にする市民の気持ちで成り立っています」。 各本棚の上には、「シーサー」の置物がある。池田市の取り組みに共感し、同様の図書館を町内に作った沖縄県・与那