●利用活用化へ併設/列車で来館も 塙町にある町立図書館は、JRの駅舎と一体になった県内で珍しい施設だ。町内から通勤通学する人だけでなく、町外の幼稚園や小学校からも列車に乗って子どもたちが訪れる。駅が、地域の交通と文化の拠点になっている。(古庄暢) JR郡山駅から、茨城県の水戸方面へ水郡線に乗って約1時間20分。森をイメージした木造の三角屋根の磐城塙駅がある。改札を出てすぐ左手の図書館へのスロープをのぼる。入り口でスリッパに履き替えて扉を開けると、木の香りがほのかに漂ってきた。 取材で訪れた14日午前、町立塙幼稚園の年少園児45人が来館中だった。円形広場の児童書コーナーで、床に直接座ったり、寝そべったり。吹き抜けの天窓から注ぐ光の下、床暖房が効いた館内で思い思いに絵本を広げていた。児童書コーナーの窓からは、駅のホームや行き交う列車の様子も目の前に見える。 同園は子どもに本の楽しさを伝
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須賀川市在住の男性から「勤務先が郡山市で郡山市立図書館を利用していたが、定年退職して借りられなくなった。須賀川市立図書館はほかの市町村の住民にも貸し出しているが、対応が自治体によって違うのはなぜか」と情報提供を頂きました。県内の状況を調べてみました。 ■地域の核だから○ 税で運営しているから× 自治体が運営する図書館は、条例や規則でそれぞれに利用法を定めている。通常、館内での閲覧はだれでもできるが、カードを作って館外貸し出しできる人の範囲は自治体によって違う。 大半の自治体は、自らの市町村に在住、在勤、在学している人を館外貸し出しの対象としている。一方で、近隣市町村の在住者が本を借りられる「広域利用」の規定を設けている自治体もあり、対応は分かれている。 いわき市は2004年度から広域貸し出しを始めた。隣接市町村の住民から「本を借りたい」と要望があり、隣り合う9市町村を対象とした。市南部の勿
郡山市中央図書館には、少し変わった資料がある。 2階入り口付近の書棚に、「新聞記事スクラップ」の文字。背表紙を見ると、郡山の経済、福島の事件犯罪、などのタイトルが並ぶ。図書館職員が毎日、テーマに沿った記事を張って作った資料で、約360冊。書庫にある分も含めると、約4300冊になる。 スクラップを本格的に始めたのは、1990年ごろから。政治、経済、文化、教育、気象、エネルギーなど、約50の分野に区分している。各分野ごとに郡山市関係分、県全体の関係分の2冊ある。職員が計約100のテーマに沿って記事を切り抜く。 「利用者からのレファレンス(照会)対応の際に、役だっています」と同図書館奉仕係の満田俊哉さん(47)。過去の選挙結果を調べたい、昔の事件事故を知りたい、など地域の出来事に関する問い合わせに、威力を発揮する。過去の新聞をすべて調べるのは大変だが、テーマ別の冊子ならば、すばやく目を通せ
●立て替えの会津若松市立会津図書館 「みんな、おいでおいで。さあ、これから始めますよ」 会津若松市立会津図書館で10月31日、ボランティア団体「おはなしのへや」のメンバーが子どもたちに呼びかけた。児童書コーナーの一角のじゅうたんの上に、親子連れら10人ほどが次々と集まった。 30代から80代の約20人が毎週日曜日、交代で読み聞かせを続けている。ただ、この日は、特別な思いで臨んだ。図書館建て替えのため、1974年から始めた今の建物でのお話会が最後となるためだ。 設立時からのメンバー、星幸子さん(72)は「雨の日も雪の日も、集まった子が一人の日も同じ場で続けてきた。食い入るように本を見る子の目が、支えだった」と話す。 70年代初めに図書館が開いた「子どもの読書講座」の参加者が、学んだことを生かして読み聞かせの技術を高めようと始めた。当初のメンバーは9人。転居や子育ての終了などで顔ぶれ
県内各地を取材で訪れるが、時間があればその地の図書館に足を運ぶようにしている。郷土資料、行政文書、地域のミニコミ新聞など、記事のねたになる材料を探し当てられるためだ。インターネット時代とはいえ、ローカルな資料ほど紙の媒体だけで保存されていることが多い。当地の図書館ならではの資料も多い。 と同時に、図書館訪問の楽しさはその地域の特徴の一端を感じ取れることだ。図書館は市町村立のため、施設の規模、蔵書の数、開館時間の長短などが自治体によって違う。隣り合う町同士で、一方の町には全国有数の施設があり、一方には小さな図書室しかないという地域もある。文教行政への姿勢の違いを感じる。 本を貸すだけでなく、生涯学習の場、子どもの学力向上、ビジネス支援など図書館への期待はますます高まっている。一方で、財政難による資料費減少、指定管理者制度をはじめとする行政改革の波など、向き合う課題も山積している。図書館の
●02年度比で7割減 県立図書館の資料費予算が大きく減っている。2010年度は1784万円と、過去10年間のピークから7割程度落ちた。景気悪化による財政難が背景にあり、多くの市町村立図書館も似た悩みを抱える。資料費削減は利用者サービスの低下に直結し、「知の拠点」の先行きが険しくなっている。(中川透) 県公共図書館協会が毎年まとめる実態調査の10年版によると、県立図書館の資料費は02年度に約5500万円あった。しかし、その後は減る傾向にあり、10年度は直近10年間の最低を記録。購入資料の絞り込みを迫られている。 協会は市町村立などを含めた県内の公共図書館全体でも数値を出している。新館の開館などもあり、全体の予算額は過去10年間でほぼ横ばい傾向を維持するが、人口一人あたりの資料費でみると、過去10年間で1割ほど減った。 資料費の金額と、利用状況は結びついている。協会の資料から、人口10
図書館というより、大型書店にいるような感じがする。 JR原ノ町駅前の南相馬市立中央図書館は、県内で最新の施設とサービスを備えた先進図書館だ。陽光の差し込むガラス張りの外観に、吹き抜けの天井。本を持ち込めるテラスが随所にある。来館者は買い物カートのようなかごを押し、思い思いに本を探す。 昨年12月の開館から毎月約3万〜5万人が訪れ、休日は約2千人でにぎわう。貸出冊数は建て替え前の旧原町図書館の約3倍に。館長補佐の早川光彦さん(49)は「顧客から見て、もう1回来たいと思える施設になるか、『もういいや』と思われるか。再び来たくなる品ぞろえとサービスに力を入れてきた」と話す。 最新の設備以上に図書館が売りとするのは、「利用者が知的に刺激を受ける棚づくり」(早川さん)だ。歴史、産業、文学など従来型の分類法に沿って並べるだけでなく、旅と地図、医療と介護、仕事とまちづくり、など今の時代にあったテー
福島市の県立図書館は1日から会津、相双の25市町村を対象に、本の有料宅配サービスを始めた。遠隔地の県民や高齢者らも利用しやすくする狙いで、平成23年度は全県に拡大する計画だ。利用登録した県内在住者や通勤・通学者らに最大10冊、15日間貸し出す。宅配料は着払いで、1回420円(20キロまで)。返送は借り主の負担で郵便や宅配便などで行うが、対象市町村の一部図書館などでも受け付ける。詳しくは県立図書館電話024(535)3218へ。対象市町村は次の通り。▽会津地方=会津若松、喜多方、北塩原、西会津、磐梯、猪苗代、会津坂下、湯川、柳津、三島、金山、昭和、会津美里▽相双地方=相馬、南相馬、広野、楢葉、富岡、川内、大熊、双葉、浪江、葛尾、新地、飯舘
県立図書館(福島市森合)は今年度、「婦人画報」や「すくすく子育て」など25種類の雑誌購読を停止した。予算が激減したのが理由。ニーズが低い雑誌が多いが、それでも必要になれば県立で読めると期待されている側面もある。同館職員らからもサービス低下を懸念する声が上がっている。 同館によると、県の財政健全化策もあって、雑誌や書籍を購入する資料費は年々減り、00年度の5903万円をピークに08年度には4052万円に減った。09年度は国の景気刺激策として受けた臨時交付金4760万円があったため8607万円に急増したが、今年度は一転してピークの70%減の1784万円に急減した。 書籍などの購入数も年々減った。雑誌はピークの05年に315種類を購入したが、今年度は約260種類とした。福島市立図書館などで閲覧できる「日経ビジネス」や、専門性が高い「ロシア月報」などをやめた。利用が少ない雑誌は、規模が小さい市町村
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