ジャーナリストの鈴木エイト氏が11月26日、全国統一協会被害者家族の会の相談会で講演し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と関係の深い政治家への追及が止まっていると大手メディアに対して苦言を呈した。「これまで(辞任した山際大臣など)は小物だ」と指摘し、特に選挙協力などを通して教会の体制保護に寄与してきた大物政治家への手を緩めてはならないと呼びかけた。 安倍晋三元首相は亡くなっているから本人に当たれないとはいえ、周辺の調査はできるはずだと強調。「自民党は一切関係を断つといいながら、あの程度の点検で済ませようとしている。調査、報告を出すべきだ」とし「追及されていない政治家は山ほどいる。すがすがしく追っていきたい」と決意を語った。 ●安倍氏がUPFに寄せたビデオメッセージに受けた衝撃とは エイト氏は2002年ごろから、街頭勧誘活動の取材を始めた。その後、約20年間、地方選挙から国政へと、徐々に政
安倍晋三元首相の銃撃事件以降、旧統一教会の被害を訴える相談が相次いでいます。弁護士ドットコムニュースは、ある信者家族の3カ月を取材。30代男性に、母親が脱会するまでの軌跡を語ってもらいました。 ●サークル活動だと思って目をつぶった 母ヨウコ(60代)は、30年以上にわたって旧統一教会の信者です。私たちが子どもの時に娘の不登校や夫婦仲のことなど家庭の悩みを抱えて入信したそうです。 私と妹は既に独立しています。父が亡くなった後、遺品整理に実家の片付けに行くと、献金の見返りとして渡された分厚い本や文鮮明・韓鶴子夫婦の写真、クリスタルの置物や壺など多くの品があることが分かりました。 父も反対していましたから、よく口論になったこともあったようです。父が怒って割った印鑑もありました。 母は一人で暮らすようになってから、実家の土地を売って引っ越すなどと言いだす時があったり、選挙の時は自民党議員に投票する
旧統一教会の元2世信者・小川さゆりさん(仮名、26歳)が10月7日、日本外国特派員協会で会見した。 会見の終盤で、教会側からの中止を求めるメッセージが紹介され、運営側は対応に追われた。両親の署名入りで「娘は精神に異常をきたしている。安倍元首相の銃撃事件以降、症状がひどくなっていて、多くのうそを言っている」などと記されていたという。 小川さんは、少し動揺した様子を見せながらも「大丈夫です」と会見を続け、涙を流しながら「お金を返さず自分たちの主張を続けるのと、私とどちらが悪なのか。これを見てくださる多くの方はわかってくれると信じています。私を正しいと思ってくれるなら、この教団を解散させてください」と訴えた。 ●「貧困でいじめ受けた」「韓国での修練会ではセクハラも」 小川さんは、合同結婚式で出会った両親から生まれた「祝福2世」だ。父は教会長、母は政治家の支援でうぐいす嬢を務めるなど要職にある熱心
「血は水よりも濃い。(手助けすることは)本能です」。そう語るのは、安倍晋三元首相を銃撃したとされる山上徹也容疑者のおじだ。事件直後は自宅で山上容疑者の母と妹を保護していた。 迅速な行動に移せたのは、彼が元弁護士だからだ。母も妹も、重要な参考人。証拠を保全することが最優先だと考えた。そして、自宅にはこれまで世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と交渉した記録や、山上容疑者が自殺未遂した際の海上自衛隊の書類も、すべて書面で残っている。 最後の仕事は、本来子どもたちに渡るはずだったお金を旧統一教会から取り戻すこと。マスコミ対応も一手に引き受け、企業法務に携わってきた知見も入れながら新たな闘いに挑んでいる。 ●証拠保全が第一、書類は分厚いファイルに 久しぶりに顔を合わせた山上容疑者の母親は、ホームレスのようだった。やせていたし、ろくに食べていなかったように見えた。宅配でなんでも買っていいと言うと、食べ
「メディアで統一教会の問題を取り上げると、抗議の電話が殺到する」という話がある。 一般論として、センシティブなテーマを報じることでテレビ局に抗議電話が殺到することは珍しくない。残念ながら、その影響で取り上げづらくなるということもありえるのが番組制作の現実だ。 テレビ局が怖気づいているように見えるだろうが、筆者はもっとテレビ制作にかかわる構造的な問題があると考えている。とはいえ、視聴者の信頼を裏切る行為であることには変わりない。テレビ局はどう対応していくべきか、考えてみたい。(テレビプロデューサー・鎮目博道) ●抗議電話の殺到 今月18日、テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』にジャーナリストの有田芳生さんが出演した際、有田さんが「政治の力」で統一教会の摘発が見送られたと語り、スタジオの空気が凍りついたようになったことが話題になった。 私はテレビ朝日のOBであり、『モーニングショー』の前身番
安倍晋三元首相が銃撃され、死亡した事件で、その場で逮捕された容疑者の犯行動機として報じられた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に注目が集まっている。NHKなどの報道によれば、容疑者は母親が多額の寄付をした結果、破産に追い込まれたという。 日本教会の田中富広会長は7月11日に開催した記者会見で、容疑者の母親が教会員であることを認めた上で、過去に違法な勧誘や多額献金で信者とのトラブルが相次いでいたが、「コンプライアンスを強化した2009年以降、トラブルはない」と強調した。 これに対し全国霊感商法対策弁護士連絡会は7月12日、都内で会見を開き、「今回の行為は決して許されることではないが、(統一教会により家庭崩壊をさせられるなどする問題について)社会としてどう取り組むべきかが問われている」などと語った。 ●宗教2世の苦しみ 理解して 全国霊感商法対策弁護士連絡会は約300人の弁護士が所属し、198
「弁護士が選ぶ法曹界を描いたドラマ・漫画・映画ランキング」映画部門で1位に選ばれた「それでもボクはやってない」(2007年公開)。監督を務めた周防正行氏は、刑事裁判のありかたに驚き、それを伝えたくて、全公判をリアルに描くことにこだわったという。法制審議会の「新時代の刑事司法制度特別部会」で委員も務め、現在も刑事司法のありかたなどに積極的に発信する周防氏に、映画の意図や現在の法曹界のあり方などについて聞いた(インタビュー日:2021年4月17日、都内にて)。 2021年6月号の雑誌に概要版を掲載したインタビューの完全版を2回にわけて掲載。1回目は、「それでもボクはやってない」を制作した思いや法制審議会の「新時代の刑事司法制度特別部会」に参加した際の印象的なエピソードなどを紹介する。 僕自身が裁判に驚いたのが原点ーー今回の投票結果で「それでもボクはやってない」が、204票で一位となりました。
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