どうやら中国は、胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席の訪米をアメリカに新たな「攻撃」を仕掛けるチャンスと考えたらしい。今週になってニューヨークのタイムズスクエアの大画面やアメリカのテレビチャンネルで、中国の魅力を宣伝するCMが次々と流された。狙いは、中国に対するアメリカ国民の「不十分な理解」を正すことらしい。 しかし、この一大キャンペーンはいまだ期待通りの成果を上げられていない。準備に膨大な時間と金を投じたにもかかわらず、このCMは中国の魅力を知らしめるどころか、人々を混乱させる一方だ。 原因の1つは、目標が大きすぎて中身が追いついていないこと。たった60秒で「中国とは何か」を語ろうとしているようだが、人口14億人、56民族と5000年の歴史を抱える国の全貌を詰め込もうなどと無茶な話だ。「あんな壮大な広告を作る必要はないと思う」と、清華大学(北京)で中米関係研究センター長を務める孫哲(ソン・チ