大阪で行われたNITEの化学センター発表会で、ご挨拶という名前で、30分の講演を行なってきた。題材は、「リスク 放射線の場合と化学物質」。 「よく分かっているはず」だと思っていた放射線リスクも、よく分からないところがある。特に、低線量被曝に対して、これほど異なった意見があるとは。これが最近の放射線リスクへの感想である。 放射性物質と化学物質との決定的な違いはかなり明白である。 放射性物質による発がんは、 (1)明確なバックグラウンドがあること。宇宙線、大地からの放射、ラドン、それに、カリウム40による内部被曝など。 (2)種類もα線、β線、重粒子線などがあるが、普通ならγ線、X線を考えれば良いこと。 (3)線量率(時間の要素。同一線量でも、一気に被曝した場合と何年も掛けて被曝した場合)によって影響が違うことが確実であること。 (4)非常事態期といった考え方が提示されている。 (5)DNAの