僕の彼女は眼鏡っ娘だ。ちょうど映画『私の男』の二階堂ふみ氏みたいに。 僕はそういうところが好みなのだけれど、彼女は分かってくれない。 「眼鏡なんてカッコ悪いじゃない」というのが彼女の言い分だ。 「そんなことないよ。とっても可愛いよ」と言うと彼女は言う。 「それは外面から見た場合の話でしょう? 眼鏡はとても不便なのよ」 ある日、そのことで言い争いになった時に「じゃ、眼球を交換してみる?」 と言って、彼女は僕のコメカミを押さえた。途端に視界が揺らぐ。 彼女も自分のコメカミを押して目玉を取り出した。そしてそれを 僕の目の中に入れる。接続には何とか成功したのだけれど 僕の視界は何ひとつとしてくっきりと見えない。 「どう? 近視と乱視の現実が分かったでしょう?」 そう言って彼女は持っていた眼鏡を僕に手渡す。「これで世界を見なさいな」 僕は眼鏡を着用する。サイズが合っていないのでいささかきついけれど、