米NSA(国家安全保障局)が、暗号技術にバックドア(裏口)を設けて暗号通信を解読している疑念がさらに深まっている。本誌の取材によって、日本政府がエドワード・スノーデン氏の告発より前の2009年の時点で、疑惑対象の技術を「安全上問題がある」とし、政府が使用する暗号技術候補から外していたことが分かった。 NSAのバックドアが疑われているのは、乱数生成アルゴリズムの「Dual_EC_DRBG」だ。米NIST(国立標準技術研究所)は同アルゴリズムの標準化にNSA職員が関与したことを認め、2013年9月末には同アルゴリズムを実装するソフト66種類をWebサイトで公表、ユーザーに注意を促し始めた。米EMCや米シスコシステムズ、米マイクロソフトといった大手の製品や、オープンソースソフトウエアの「OpenSSL」などが挙げられている。 「Dual_EC_DRBG」は、「楕円曲線暗号」に使用するアルゴリズム
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