水野大二郎(慶應義塾大学環境情報学部准教授、デザインリサーチャー)+松本篤(NPO法人remo研究員、AHA!世話人)+大橋香奈(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科博士課程) ──近年、「コミュニティ・アーカイブ」と呼ばれる草の根の活動が各地で行なわれています(コミュニティ・アーカイブについては同特集の佐藤知久氏の論考を参照)。情報環境や交通手段の変化によって社会の枠組みやコミュニティが複雑に流動化する現在、アーカイブの意義はどのように考えられるでしょうか。座談会では、生活空間の記録と記憶の継承のあり方をめぐって、デザインやエスノグラフィーの観点から考えます。 大橋香奈さんは、トランスナショナルな生活世界をテーマに映像民族誌的な研究方法を実践されています。また松本篤さんは、8ミリフィルムや古い写真を収集し利活用するコミュニティ・アーカイブの批判的実践を全国各地で行なわれています。デザ