バイトの女性に支払いを済ませ、受け取った古本三冊はリュックに収める。外へ出てみると、細い雨が降ってはいるものの、空は明るい。文庫と新書ばかりで埋まっている軒下の均一棚(たまにしかチェックしないのだが)をしばらく眺めていれば止むだろうと思った。案の定、五分もしないうちに雨の勢いは目に見えて弱くなった。 その五分間に中公文庫を四冊発見。なかに安藤更生『銀座細見』(中公文庫、一九九二年再版、カバー画=川上澄生)があってラッキー。これはもちろん『喫茶店の時代』に何度も引用しているのだが、内容は間違いなく面白く、何冊持っていてもいい。古書価は文庫としてはかなり付いている(昭和六年刊の元本はさらに)。にわか雨よ、ありがとう。
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