電話帳でも古新聞でも、活字ならなんでもいい。読む、書く、雑誌をつくる、と活字を愛してやまない森さんが、本をめぐる豊かな世界を語った。幼い日に心を揺さぶられた『フランダースの犬』、… 電話帳でも古新聞でも、活字ならなんでもいい。読む、書く、雑誌をつくる、と活字を愛してやまない森さんが、本をめぐる豊かな世界を語った。幼い日に心を揺さぶられた『フランダースの犬』、『ゲーテ恋愛詩集』、そして幸田文『台所のおと』まで。地域・メディア・文学・子ども・ライフスタイル―多彩なジャンルの愛読書の中から、とりわけすぐれた百冊余をおすすめする。胸おどる読書案内。 活字中毒、といわれればそうである。子どものときから活字なら何でもよかった。フスマの裏の新聞紙でも、焼き芋の袋でも、電話帳でも。 育った十五坪の家では、一人静かに本を読む場所などはなかった。父が三畳に作ってくれたベッドの上の段が唯一、私専用の場所。小学校