ブックマーク / note.com/horishinb (9)

  • ただ一点だけに限り、憲法改正をしてはどうでしょうか?|弁護士ほり

    はじめに 憲法改正の是非や内容についての議論はいろいろありますが、ここで一つ、与野党を問わず、あまり異論がなさそうな憲法改正案を提案してみましょう。 それは、国会の自主召集を認めるようにするという改正です。 今の憲法では、国会は自分では召集を決められない! 日国憲法では、国会を召集するのは天皇の権能とされています。厳密にいうと、摂政と、臨時代行を担当する皇族も、国会の召集を行うことができますが、これも天皇の権能を代わりに行使するものです。 もちろん実際には、天皇が自分自身の独自の判断で国会を召集するわけではなく、内閣の助言と承認が必要ですから、実質的に国会の召集を決めるのは内閣です。 ここで注意が必要なのは、現在の日国憲法では、国会自身による自主的な召集は認められていないということです。内閣が召集を決めて、天皇が召集を行ったときに、初めて国会の会期を始めることができるのです。 国会の会

    ただ一点だけに限り、憲法改正をしてはどうでしょうか?|弁護士ほり
  • 「日本は解雇規制が厳しい」というのはウソだった件|弁護士ほり

    解雇規制は国際的に見て厳しいの? 日解雇規制は厳しすぎるとか、解雇規制を緩和して雇用を流動化させなければならないなどという言説はすっかりおなじみになっています。(もちろん恣意的に何でも解雇できるわけがなく、労働契約法16条により、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は無効とされています。) ただ全般的にいって、日当に「解雇規制」が厳しいのでしょうか? まず以下のリンク先が作成してみた2019年のデータによれば、OECDの基準で見ると、日は総合的にみて主要48ヶ国のうち解雇しにくい順番に並べると28位であり、真ん中よりはむしろ解雇しやすい方に寄っています。 日より解雇しにくい国としては、オランダ、ベルギー、イタリア、フランス、スウェーデン、ノルウェー、ドイツなどがあり、日より解雇しやすい国としては、イギリス、カナダ、オーストラリア、(予想ど

    「日本は解雇規制が厳しい」というのはウソだった件|弁護士ほり
  • 皇族は「人権を制限されてる」の?それとも「人権はない」の?|弁護士ほり

    眞子さん問題で注目された「皇族の人権」 このnoteでも何度も取り上げてきた世間で騒がれている眞子内親王と小室さんの結婚もようやく正式発表となりましたが、この問題を機に、「皇族の人権」が話題になるようになりました。 これは私の著作『13歳からの天皇制』でも大きな分量を割いて論じているテーマの一つです。(まだの方はぜひお読みください) 皇族は、国民と同じ人権保障は受けられない 今回の記事では、いわば入門編として、どういう考え方があるのか、その簡単な紹介だけしてみます。 実は「人権」という言葉も人によって広い意味で使われたり狭い意味になったりして、そこが議論がかみ合わない元になったりすることもあるので、ここでは一応「日国憲法の条文により保障された権利」という意味で使うことにします。 (人間としての尊厳とか、その憲法の保障によって守るべき自然権とか、そういう意味ではないことに注意してください。

    皇族は「人権を制限されてる」の?それとも「人権はない」の?|弁護士ほり
  • GHQが新憲法を「押しつけ」してくれなかったら、日本政府は酷い憲法を作っていた件|弁護士ほり

    国憲法の「押しつけ」の性格は否定できないが… 日国憲法は、敗戦後の占領された日で、GHQの作成した案をもとに帝国議会が審議したうえで制定されました。このことからすれば当然ながら、多かれ少なかれGHQによって「押しつけ」られた要素があること自体は否定できないでしょう。 ただ実際の展開としては、GHQが作成して日政府に与えた条文をそのまま翻訳して日国憲法にしたというわけではなく、まず1946年4月の日初の男女平等選挙で選ばれた衆議院議員と、(選挙の対象でない)貴族院議員が審議して、(GHQの意向に反しない限りにおいて、ですが)様々な修正を加えたうえで、現在の日国憲法が完成したのです。 戦争放棄だけの問題だったのか? そこで次の問題は、なぜ「押しつけられた」かということです。 この点、日国憲法に批判的な論者から「憲法9条の戦争放棄で日を非武装にするために、押しつけたのだ」とい

    GHQが新憲法を「押しつけ」してくれなかったら、日本政府は酷い憲法を作っていた件|弁護士ほり
  • 自民の改憲案が通ると、いったい何がどうなるの?|弁護士ほり

    コロナ危機に乗じて改憲案を持ち出したがる自民の政治家 ひとつ前の記事では「今の憲法ではコロナ対策のための私権制限ができないから、改憲しなければ」という主張がデタラメであることを説明しました。 それはともかくとしても、コロナ対策と改憲を結びつけたがる議論が自民党政治家からよく出てくるのは事実です。 自民党はこれまで様々な改憲の提案をしてきました。このうち最も新しいのが、2018年に作成した改憲議論のための「たたき台素案」です。(2012年の憲法改正草案が非常に有名ですが、これとは別のもので、これよりは変更内容が限定されたものです。) この「たたき台素案」についてもこのnoteでは過去に何度か触れてきましたが、憲法記念日ということもあり、またコロナ危機に便乗した粗悪な改憲論も目立ってきていますので、きわめて簡単にわかりやすく、改めてその問題点を説明しておきます。 国会抜きで政権が刑罰条項を勝

    自民の改憲案が通ると、いったい何がどうなるの?|弁護士ほり
  • 「憲法改正しないとコロナ対策で私権制限ができない」というのが悪質なデタラメである件|弁護士ほり

    コロナ対策にかこつけた改憲論? 新型コロナ対策で、施設や店舗などの営業時間制限要請などが行われていますが、このような対策について 「今の憲法では、私権の制限ができないので、思い切った対策がとれない。」 「私権を制限できるように憲法を改正する必要がある。」 という類いの主張をする政治家や評論家が見られます。 このような主張は一見もっともらしく思えるのですが、実はかなり倒錯しているというか、そもそも憲法と法律の役割や関係をよくわかっていない可能性がありますので、どこがおかしいのか簡単に説明しておきましょう。 「私権の制限」という用語はあまり適切でない なお政界やメディアなどでは「私権の制限」という言い方が頻繁に使われているのですが、あまり適切な表現でもなく、むしろ「権利の制限」とか「自由の制限」と呼んだ方が正確ですので、この記事では「自由・権利の制限」という言い方を主に使うことにします。(法律

    「憲法改正しないとコロナ対策で私権制限ができない」というのが悪質なデタラメである件|弁護士ほり
    nenesan0102
    nenesan0102 2021/05/04
    日本ってなんかもうどうしようもない国になってくなぁ。NZは5万人規模の音楽フェス開催したらしいけど。能力があれば海外に出るんだけどな
  • ラムザイヤー教授の「従軍慰安婦」の論文の主張ってどんな内容なの?|弁護士ほり

    議論を呼ぶラムザイヤー教授の論文 いわゆる「従軍慰安婦」問題について、ハーヴァード大学のラムザイヤー教授が発表した論文が議論を呼んでいますが、一体どのような内容なのでしょうか。 その全文は、次のリンク先で見ることができます。 https://news.yahoo.co.jp/byline/takeuchikan/20210225-00224442/ 私はこの分野の専門家でも何でもありませんが、ラムザイヤー論文を自分なりに読んでみたところ、一応何を言わんとしているかくらいは理解できたように思いますので、以下、主だった論点を整理してご紹介することにします。 なお後述のとおり、ラムザイヤー教授は歴史学者ではなく、「法と経済学」という法学と経済学にまたがる分野の研究者です。 ラムザイヤー論文の主張の中核の部分  主張の中核的な部分を要約してみると、おおむね次のとおりでしょう。 ①当事者の女性たちは

    ラムザイヤー教授の「従軍慰安婦」の論文の主張ってどんな内容なの?|弁護士ほり
  • 「多様性の尊重」というスローガンは捨てた方が良い件|弁護士ほり

    やたらと使われる「多様性の尊重」現在、「多様性の尊重」というスローガンは、政府の文書から個人の会話まで、至るところで目につくようになっています。経済、雇用、福祉、教育その他、あらゆる分野で「多様性の尊重」という言葉が使われるようになりました。 これについて今回の記事では、この「多様性の尊重」というスローガン自体に重大な問題があり、むやみに使わない方が良いということを説明します。(念のためいうと、「多様性を尊重すること自体がいけない」という真逆の主張をしたいというわけではありません。) 多様な「状態」を尊重すれば良いのか?まず言葉そのものを眺めてみましょう。「多様性」を「尊重」するというわけですから、当たり前の話ですがここで尊重すべきとされているのは「多様性」です。「多様性」とは物事の性質とか状態ですから、結局は何らかの性質や状態を尊重しろと言っているわけです。 学校の制服問題で考えてみる一

    「多様性の尊重」というスローガンは捨てた方が良い件|弁護士ほり
    nenesan0102
    nenesan0102 2020/09/21
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  • 「かわいそうランキング」って、「おっさん差別」なんですか?|弁護士ほり

    いわゆる「かわいそうリスト」または「かわいそうランキング」 最近は、「かわいそうリスト」または「かわいそうランキング」という言葉(ネットスラング?)が割と使われるようになっています。これは事件・事故や社会的な不正などの被害を受ける立場の人間の中でも、世間一般に(主としてメディアの取り上げ方で)同情のされ方に違いがあるということです。例えば「小さな子どもが何かの被害者になると同情されやすい」などと言われています。 「おっさん」が最下位で差別されているのか? 論者によって違いはあるでしょうが、一般には「子ども」「女性」が上位で、「中高年男性」=「おっさん」が下位(「おっさんが最下位だ」という人もいます)とされているようです。 さらには「おっさんが事件や事故の被害を受けても、誰も騒がない。おっさん差別が行われている」と主張する意見も見受けられます。果たしてどうなのでしょうか。具体的に考えてみるこ

    「かわいそうランキング」って、「おっさん差別」なんですか?|弁護士ほり
    nenesan0102
    nenesan0102 2019/07/31
    絵が好き
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