先日、五歳の女の子が虐待を受けて死亡したというニュースが流れていました。 如何にも惨たらしい、そして独善的な惨劇です。概要を聞いているだけで胸が締め付けられるような事件です。虐待を日常的に行なっていたと思われる父親と、それを黙認していた母親に対する憎しみは、他人事ながら、私の胸にも湧き起こりました。 どんな理由を拵えても、子供を長期的な拷問に掛けるような真似が正当化されることはありません。確かに日常的に接していれば、幼い子供というのは脆弱で儚い存在であるとは思えない場面にも頻々と遭遇します。我儘で、此方の都合など歯牙にも掛けず、遣りたい放題、言いたい放題の子供の姿を眺めていると、小さな怪物のようにも思われて、子供相手ながら、理不尽で聞き分けのない大人に対するときのような怒りに駆られることも、実際にあります。 けれども、子供が無力で、大人の庇護を必要とする存在であるという事実は変わらないので