それは八十年ぶりとも言われる猛暑の最中だった、といった小説の書き出しがあったような気がするが、実際それはそういう夏で、七月半ばに梅雨が明けると、蒸し暑いと言われる日本の夏にしては珍しい、かっと照り付けて、半袖で外へ出ると火傷しそうな、ちょうどサハラ砂漠では肌を露出してはいけないと言われるような、そんな天気が数日続いた夏だった。 その頃私は仕事が少なく、もう少しひどくなったらこれは失業者だ、という状態で、別にそういう時に限ったことではないが、一日に三回以上は郵便受けを見に行く状態だった。近ごろは、郵便だけではなくて宅配メール便などもあるから、なかなかそうした、自室から郵便受けまでの小さな旅にも、収穫物が多いのであった。 その日は、大学院の出身研究室からの、大きめで薄い封書が来ていたから、あっ、名簿だな、と思い、他の郵便物は小脇に抱えて、その封筒の端をびりびりと破きながら、自室へ戻った。 その
『週刊ポスト』の今週号に、官邸前抗議行動の呼びかけ主体である「首都圏反原発連合(以下、反原連)」のメンバーのお一人である、MisaoRedWolfさんへのインタビュー記事(担当:元ジャーナリスト上杉隆さん)が掲載されています。記事のタイトルも「脱原発の敵はサヨクとネトウヨだ」という香ばしいもので、先行して読まれた方々から「なんじゃこりゃ!」とか「これは酷い」とか「応援してきたのに裏切られた」とか、あまつさえ「喧嘩を売られたも同然」という感想さえ聞いていました。 でもまあ、Misaoさんは官邸前行動の主催者というわけでもなく、反原連の代表というわけでもないですし、今のところはあまり話題にもなってないみたいですね。だいたいこの香ばしいタイトルも、どうせ編集部が勝手につけたもんなんだろう、「サヨク」とカタカナで書いてあるのは、昨611のことを意識して語っているのかな、まあどちらにしても、自分はエ
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