エジプト人の父と日本人の母との間に産まれた、いわゆる「ハーフ」の私は、なぜか4歳になっても上手く言葉を話すことが出来なかった。 母はそれが我慢ならなかったらしい。 「こうなったら、ロイヤル幼稚園(お坊ちゃまやお嬢様が行くような幼稚園)に行かせましょう。ここだったら、卒園するまでに文字の読み書きや、さんすう、それにスポーツも、全てが鍛えられるわ。」 母は父にそう言い放ったが、父は乗り気ではなかった。 「ロイヤル幼稚園!?そんなお金、うちにはないよ…」 そううなだれる父を母は鼻で笑うと、母は私を見ながら、 「見なさい。この子を。いつも黙っていて、忘れん坊で。このままじゃ、この子は勉強なんて一生出来ないわよ。それに、お金ならじいじ(私の祖父)に頼むから、大丈夫。役に立たない金なし外国人に初めから期待してないわよ。」と言った。 母にここまで言われても、父は言い返せなかった。母の言う通り、安定した職
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