渋谷陽一のロック批評とは何だったのか? ばるぼらの『メディアとしてのロックン・ロール 渋谷陽一評論集』評 批評は批評で独立して自立した読み物だ これまでちゃんと読んだことがなく、「最後の単行本」というキャッチコピーをきっかけに、何か感傷的な気持ちで読み進めようとした人は、あまりの挑発的な文体に面食らうだろう。一体この人はなぜずっと怒りっぱなしなのかと。それはもちろん、自分たち以外すべてのロック・ジャーナリズムがゴミだったからだ。 日本のロック批評を考える上で読まなくてはいけない本が出た。2026年6月9日に刊行された『メディアとしてのロックン・ロール 渋谷陽一評論集』である。雑誌『ロッキング・オン』『CUT』をはじめ数々の雑誌を創刊してきた編集者であり、音楽ジャーナリストであり、2025年7月に亡くなった渋谷陽一が、様々な媒体に書いてきた原稿を、「1972-1996」「1997-2025」

