戦後、我が国はすばらしい経済発展を成し遂げ、今やEU、米国と並ぶ3極のうちの1つに数えられるに至った。戦後の荒廃した国土や焼け野原となった都市を思い起こすとき、まさに奇蹟である。 国土交通省及びその前身である運輸省、建設省、北海道開発庁、国土庁は、交通政策、社会資本整備、国土政策等を担当し、この経済発展の基盤づくりに邁進してきた。 その結果、社会資本はある程度量的には充足されたが、我が国土は、国民一人一人にとって、本当に魅力あるものとなったのであろうか?。 都市には電線がはりめぐらされ、緑が少なく、家々はブロック塀で囲まれ、ビルの高さは不揃いであり、看板、標識が雑然と立ち並び、美しさとはほど遠い風景となっている。四季折々に美しい変化を見せる我が国の自然に較べて、都市や田園、海岸における人工景観は著しく見劣りがする。 美しさは心のあり様とも深く結びついている。私達は、社会資本の整備を目的でな