将棋大会の片隅で それはいつもと変わらない、将棋大会の光景のように見えた。 8月31日。筆者は令和最強戦という、アマチュアトップクラスの強豪が集う将棋大会の観戦に訪れた。 筆者にとっては、知らない顔の若者が増えつつあった。とはいえ、人は変われど、やっていることは変わらない。人の雰囲気も、さほど変わらない。それは何十年と変わらない、将棋大会の光景のようにも見えた。 「どうしたの? あっ、『時の人』を見に来たんだな」 久々にアマ大会に顔を出した筆者を見て、大学将棋部の先輩から声をかけられた。 そうなんです。まさに、「時の人」に会いに来たのだった。 筆者は「アゲアゲさん」こと、折田翔吾にインタビューを申し込んでいた。 折田はいま、将棋界という枠を超えて、時の人になりつつある。 8月30日、折田はプロ公式戦で勝ち星をあげ、10勝2敗の成績を収めて、プロ編入試験の条件をクリアした。 遠い昔の1944