早期の乳がん患者に対して、がん細胞を破壊する力が強い重粒子線と呼ばれる放射線の一種を使って治療するための臨床試験に、千葉市の放射線医学総合研究所が国内で初めて乗り出すことになりました。 手術をせずに、乳がんを完治できる可能性があると期待されています。 重粒子線は、炭素イオンを高速に加速してできる放射線の一種で、がん細胞を破壊する力が強く、がんの患部に局所的に当てる治療に利用されています。 千葉市の放射線医学総合研究所は、これまで前立腺がんや肺がんなどで治療を行ってきましたが、60歳以上で腫瘍が2センチ以下といった一定の条件を満たす早期の乳がん患者を対象に、治療に向けた臨床試験を始めることになりました。 乳がんは、手術による切除と放射線の照射を組み合わせた治療が行われていますが、重粒子線治療の場合、手術の必要がなく、患者の身体的な負担が軽くなるほか、治療にかかる期間も短くなるということです。