馬淵澄夫国土交通相は21日の閣議後会見で、22日から奈良市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の観光担当相会合で予定していた中国との2国間協議を取り止めることを明らかにした。 沖縄・尖閣諸島の中国漁船衝突事件をめぐり、中国政府の対応を見極めるためとみられる。 取り止めは日本側から申し入れたという。理由について、馬淵国交相は「外交上の課題も理解しているが、諸般の事情で取りやめる」とした。 2国間協議は、中国の政府観光局にあたる国家旅遊局の祝善忠副局長と行う予定だった。祝副局長は観光相会合には出席する見込み。 観光相会合はAPEC加盟の21カ国・地域が参加し、22日から2日間の日程で観光振興策などを話し合う。馬淵国交相は観光立国を目指す日本の取り組みをアピールする。 政府は平成28年までに訪日外国人観光客を2千万人に増やす目標に掲げる。うち3割にあたる600万人を中国から誘致する計画