狭い店内なのに相席を希望する。 いい加減時間がたって、店長にバラバラに座ればと?言われるが男は拒否をした。 店内に重い空気が漂う。 空いた席の隣に座ってたリーマンが席を譲ってやっと着席。 キレ気味の店長が注文を促すと、男が言う。 「野菜タワー二つ」 「えー私無理だよ。」と、言う女を遮り男は 「せっかくだしさー」 店内の空気が凍る。 店長がぼそっと言う。 「女性に無理かな」 「だから言ったのに。」 二人は終始無言で、二郎を食べた。 結局、二人とも半分以上残した。 店内には、相容れぬ何かの異物を含んでしまった空気に満たされていた。 その異物を排除する自然な機能が働いたかのように二人はさっさと出て行った。 外で女の声が聞こえた。二人は別れるかもしない。 そんなことを考えてると目の前に器が来た。 面のアップを始めると些細な考えは空気の中に溶けて消えていた。