在日朝鮮人の子弟が通う川崎朝鮮初級学校(川崎市川崎区桜本)に今月上旬、一通の封書が届いた。差出人には「一市民より」。短くつづられた手紙は朝鮮学校が置かれた境遇に触れ、父母会あてに「少額ですが気持ちだけ」と3万円が同封されていた。 便箋(びんせん)を手に、金龍権(キムリョンゴン)学校長が、柔らかな笑みを浮かべている。「元気づけられ、励まされ、あったかい気持ちになった。こういう方が日本人にもいるのだなあ、と」。桜の季節が待ち遠しくなるような、その封書が届いたのは今月4日のことだ。 「春もそこまで来て、送り出す生徒と迎える生徒に花を添えたいと待つこの頃(ごろ)です」。丸みを帯びた文字、そう書きだす文面は続く。「在日の友人から貴校の活躍のいろいろな話をききました。日本政府が何の援助の手をさしのべていない事に驚き、すまない気持ちです」 ピンと伸びた1万円札が3枚同封されていた。 朝鮮学校は語