何世紀にもわたってアフリカは、貧困や紛争のようなネガティブなイメージとともに語られてきた。しかし、近年の中国によるアフリカ進出によって、アフリカには新たな活力が注がれている。日本やアメリカの企業家たちがアフリカの市場に目を向けるようになったことの一因は、中国のアフリカ進出があったからであろう。 こうした状況下で、中国-アフリカ関係を対象とした研究は、マクロな視点から、中国のアフリカ援助や貿易関係に焦点を当てるものが主流となった。しかし、アフリカの人々は援助や貿易関係よりも、むしろ日常的な中国人商人とのやりとりや中国製商品そのものを通して中国の存在を実感している。つまり、中国とアフリカの関係において、国家や企業規模ではない個人間の関係、いわば草の根レベルの繋がりが重要な役割を担っていると考えられる。 本稿では、中国人商人の生活体験談や、ボツワナで販売している中国製商品を共時的・通時的に分析し
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