アメリカン・ニューシネマは、1960年代後半から1970年代半ばにかけてアメリカ合衆国で製作された一連の映画作品をさす呼び名で[1]、アメリカ本国における「ニュー・ハリウッド(New Hollywood)」が、日本ではこの表現で紹介され定着した[2][3]。 当時のアメリカの政治的・社会的変動や映画産業の構造変化を色濃く反映しつつ、性とジェンダー・暴力・人種・宗教などのテーマについて[4]、旧来のハリウッド映画とは大きく異なる新しい視点と表現手法をとった作品群と一般にみなされている[5]。その起点となる作品としては、『俺たちに明日はない』(1967)や『卒業』(1967)、『イージー・ライダー』(1969)などがしばしば挙げられる[6]。 「アメリカン・ニューシネマ」は日本でのみ定着した独自の用語のため、本来の「ニュー・ハリウッド」とは必ずしも対象が一致せず[7]、またどちらの用語も、どの