天災(てんさい)は古典落語の演目[1]。「青菜」や「道灌」に見られる聞きかじった知識を他人に披露しようとして恥をかく男の噺である。なお、登場する心学の先生の名前として、東大落語会は紅羅坊名丸(べにらぼう なまる)としているが、「紅羅坊奈丸」や「紅菜坊なまる」など、演者や資料によって揺れがある。 ある長屋に短気で喧嘩っ早い男が住んでいた。あまりにも酷いため、見かねた隠居に紹介されて、高名な(心学)の先生に診てもらうことになる。 先生は最初「短気は損気」「堪忍袋は破れたら縫え」と格言を言って諭そうとするが、男は一向に感じ入るところがない。そこで今度はたとえ話として、道を歩いていて店の小僧に打ち水をひっかけられた場合、屋根瓦が風で落ちてきて頭に当たった場合などに、お前はどうするかと尋ねる。いずれの場合も、男は水を掛けた小僧や店の主人を殴る、瓦の家の家主や大家を殴ると乱暴な回答をする。それを受けて