民主主義はすばらしい? 一昨日、多くの注目を集めた大阪都構想をめぐる住民投票が行われ、即日、開票結果が明らかになった。すでに報道にあるとおり、大阪市民は約1万票の差で、橋下大阪市長が提案した大阪都構想の受け入れを拒否することになった。 大阪市に特別な利害関係を持たない人たちの中には、衰退の一途をたどる全国の地方自治体に不可欠な行財政改革の先例として、今回の住民投票の結果に期待した人もいるだろう。あるいは、今後の国政における最大の争点である憲法改正の関連で、維新の党との連携を模索する安倍政権の改憲戦略への影響という観点から、今回の投票結果に関心を持った人もいるだろう。ここでは、そうした論点には触れず、「民主主義はすばらしい政治体制」という大阪市長の言葉にフォーカスしたい。そう、橋下劇場を締めくくるに相応しい、開票後の会見で発せられたこの言葉、しかもポピュリストと揶揄されることもしばしばあった