自民党の山田宏参院議員が5日の参院決算委員会で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)のみを対象にした天気予報を気象庁が実施するよう訴えた。安倍晋三首相は明言を避けたが、山田氏の繰り返しの要請に対し、最後は「政治的にではなく、気象庁に検討させたい」と応じた。 山田氏は、中国が尖閣諸島の天気予報を実施していることを挙げ、日本の天気予報では「石垣島地方」として一括して行われていることを問題視した。「尖閣地方は漁船も通る航路となっているのに、わが国の領土でありながら天気予報すらやっていない」と訴え、気象庁の橋田俊彦長官に「技術的に尖閣諸島の天気予報は出せるのか」とただした。 橋田氏は「技術的な観点からは可能だ」と答弁したが、首相は「尖閣諸島は歴史的にも、国際法上もわが国固有の領土であり、現にわが国はこれを実効支配をしている。断固として守り抜くとの決意で今後とも毅然かつ冷静に対応していく考えだ」と述べるにとどめ