東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が発注したテスト大会の計画立案業務を巡る談合事件で、テスト大会の運営を担った組織委大会運営局の元次長が、不正な受注調整への関与を認める意向を周囲に示していることが関係者への取材で判明した。元次長は2022年11月に独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で自宅を家宅捜索されて以降、容疑を否定していた。企業名が書かれた一覧表には落札者を割り振る意味合いがあったことは否定できないという趣旨の説明をしているという。 また、元次長とともに企業が希望する競技や会場を一覧表にまとめた広告最大手「電通」側も東京地検特捜部の聴取に、容疑を認める供述をしていることも判明した。独禁法の不当な取引制限は企業側を取り締まることを想定しているが、特捜部は発注側の元次長が受注調整に欠かせない役割を果たしたとみており、電通など複数の企業の担当者に加えて、元次長を談合の共同正犯として
各界の著名人が語る「お金とわたし」。今回は、「ゴミ清掃芸人」として知られるお笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さん(46)です。妻子を養うためにゴミ収集会社に就職。それ以来、ゴミや環境問題をテーマにした著書を次々出版し、発行部数は累計15万部を超えています。そんな滝沢さんが、お金持ちの人たちが出すゴミを見て自分もまねをしたこととは――。【野村房代】 ――奥さんの妊娠を機にゴミ収集会社に就職したそうですね。失礼ですが、お笑いの収入はどれくらいだったのですか。 大学在学中に、カルチャースクールで出会った相方(西堀亮さん)とコンビを組んだのですが、一番仕事がない時は月にライブ1本だけ。1000円の報酬から事務所に抜かれて、税金取られて、630円。さらにそれを2人で分けるから手取り315円。現場まで行く電車賃を差し引いたら結局マイナスなんです。そういう時期が10年はありました。 2007、08年
電通ライブの本社に家宅捜索に入る係官ら=東京都千代田区で2022年11月29日午前9時57分、和田大典撮影 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が発注したテスト大会の計画立案業務を巡る談合事件で、組織委が、入札参加者の公募を始める9日前に落札業者を決定していた疑いがあることが関係者への取材で判明した。組織委側が、広告最大手「電通」が作成した入札参加予定者の「一覧表」にあった複数の企業名を青色で塗り、「青色部分は合意」などと電通にメールで伝えていた。青色の企業は実際に入札に参加し、ほぼ希望通り落札したという。 組織委側はメールに一覧表のデータを添付しており、東京地検特捜部はこのデータを押収。特捜部は一覧表が各社で共有され、青色の部分以外の企業は入札しないなど、各社の行動を拘束する資料になったとみている模様だ。
「子どもたちの多くはインターネットやアダルトビデオで性の情報を集めている」と語るNPO法人ピルコンの染矢明日香理事長(中央)ら=東京都千代田区で 性教育の普及などに取り組むNPOなどが11月30日、性教育の国際水準となっている「包括的性教育」の推進や、義務教育で性交や避妊を学びやすくするための学習指導要領の見直しを求める約4万3000筆の署名を文部科学省に提出した。NPO法人ピルコンの染矢明日香理事長は「10代の子どもたちの実態に今の性教育が合っていない」と訴えた。 包括的性教育とは、体や生殖の仕組みだけでなく、人権を基本に、人間関係や性の多様性、ジェンダー平等などを幅広く体系的に学ぶもの。2009年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)などがまとめた包括的性教育のガイダンスでは、性交や避妊法は9~12歳の学習内容に位置づけている。
同性婚を認めていない現行制度は憲法に反するとして、同性同士の婚姻届が受理されなかった男女9人が国に1人当たり100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は30日、現行制度は個人の尊厳に立脚した法制度の制定を求める憲法24条2項に違反する状態と判断した。池原桃子裁判長は「どのような制度にするかは立法府に裁量がある」とし、直ちに違憲とはしなかった。国会が立法措置を怠ったとする原告側の主張も退け、賠償請求は棄却した。原告側は控訴する方針。 全国5地裁に起こされた同種訴訟で3件目の地裁判決。2021年3月の札幌地裁判決は「違憲」、今年6月の大阪地裁判決は「合憲」としており、「違憲状態」とする司法判断は初めて。
東京オリンピック・パラリンピックを巡る談合疑惑で、広告会社などから大会組織委員会に出向した複数の職員がテスト大会の業務について入札開始前に広告業者側に希望する競技会場を聞いて回り、「割り振り表」を作成していた疑いがあることが関係者への取材で判明した。実際の受注は、ほぼ表の通りになっていたという。東京地検特捜部はこの割り振り表を入手しており、業者間の受注調整を示す証拠と位置付けている模様だ。 東京五輪・パラ特別措置法は組織委職員を「みなし公務員」と定め、民間からの出向者にも適用される。発注元の組織委側が割り振り表の作成に関与した疑いが浮かび、疑惑は業者間の受注調整にとどまらない「官製談合」となる可能性が出てきた。
防衛力強化に関する政府の有識者会議(座長・佐々江賢一郎元駐米大使)は22日、防衛費の安定財源確保に向けて「国民全体の負担」が必要だとして増税を提起する報告書を岸田文雄首相に提出した。5年以内の防衛力強化が欠かせないと強調し、反撃能力(敵基地攻撃能力)保有と、戦闘継続能力(継戦能力)向上を提言。先端科学技術の成果や公共インフラの機能を安全保障分野に利用できる官民一体の体制を構築するよう求めた。戦後の安保政策の大転換を促す内容だ。 防衛力強化を巡る自民、公明両党の協議などをにらみ、増税への環境整備を進めるのが狙いだが、国民の理解を得られるか…
東京オリンピック・パラリンピックを巡る談合疑惑で、大会組織委員会が発注したテスト大会の計画立案業務の落札業者が、そのまま本大会の運営業務も請け負える仕組みが事前に決められていた疑いがあることが関係者への取材で判明した。テスト大会の計画立案業務の委託費が総額約5億円だったのに対し、本大会の運営業務は総額150億円程度に上る。東京地検特捜部と公正取引委員会は、広告業界が当初から巨額の利益を分け合うために受注調整をしていた可能性があるとみている模様だ。 テスト大会は、本番と同じ会場で警備態勢や運営の問題点を洗い出し、本大会に生かす目的がある。組織委は2018年、テスト大会の計画立案業務の委託先を募り、競技会場ごとに26件の一般競争入札を実施した。この結果、大手広告会社「電通」など9社と共同企業体1団体が落札。落札総額は計約5億3000万円で、1件当たりの落札額は約6000万~約400万円だった。
NHKがホームページで公表している2021年度の契約情報。「コンサルティング」名目の大手経営コンサル会社との契約が前年度より大幅に増えていることなどが判明した=2022年11月7日 NHKでコンサルティング契約の総額が急増している。NHKの公表資料を毎日新聞が調査・分析したところ、2021年度の「コンサル」名目の契約額は、前年度比2・6倍の約35億円に増大。経費削減や受信料値下げなどの改革を進める前田晃伸会長が就任した20年1月以降に急増し、NHK幹部は「増えたのは主に改革関連」と説明するが、コスト削減に矛盾しているとの疑問が局内から上がる。NHKの最高意思決定機関の経営委員会や理事会で十分に議論されていないなど「チェック不足」(別の幹部)との指摘もあり、視聴者からの受信料で運営される公共放送として支出の合理性が問われそうだ。 前年度比2.6倍 「主に改革関連」 NHKは、役務や工事など契
富山市議会自民党会派の勉強会で、講師として招かれた旧統一教会の関連団体関係者が示した資料=大阪市北区で2022年11月1日、大西岳彦撮影 「同性愛は心理的障害」「同性カップルの子育ては問題あり」――。富山市議会の自民党会派が1月に開いた勉強会で、講師として招かれた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体の関係者がそんな考えを示し、同性パートナーシップ制度への反対を訴えた。市や富山県は制度導入を検討しているが、市長や県知事も就任前、教団側の選挙支援を受けた。教団側が国政だけでなく、地方政治にも接近を図るのはなぜなのか。背景を探った。 「制度拡大に歯止めを」 複数の市議によると、勉強会は1月27日、富山市議会が入る庁舎の会議室で開かれた。教団を母体とする政治団体「国際勝共連合」で婦人問題を担当していた女性(現在は退職)が「危機に立つ結婚と家庭のあり方―同性パートナーシップ制度問題を考える―
「エホバの証人」の宗教3世として経験した苦悩を語る夏野ななさん(仮名)=国会内で2022年11月7日午前10時57分、高良駿輔撮影 キリスト教系新宗教「エホバの証人」の3世として育った夏野ななさん(仮名)が7日、国会内で開かれた野党のヒアリングに出席し、熱心な信者だった親から体罰を受けるなどした生い立ちを明かした。「子どもが親に信仰を強制されず、学ぶ機会を奪われないようにしてほしい」と悲痛な思いを訴えた。 夏野さんは30代で東京都在住。3歳の頃から週3回、エホバの証人の集会に参加した。居眠りなどをすると家族にトイレに連れて行かれ、平手やベルトでたたかれたこともあった。「悪い影響を受けるから」と言われ、保育園や幼稚園には通わなかった。教義のため、クリスマスや七夕、誕生日会などのイベントも禁止された。校歌の斉唱や運動会の騎馬…
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)創始者の文鮮明(ムン・ソンミョン)氏が1989(平成元)年に韓国で行った説教で、自民党の安倍晋太郎元外相が当時会長を務めていた保守系派閥「安倍派」(清和会)を中心に国会議員との関係強化を図るよう信者に語っていた。約53年分にわたり韓国語で記された文氏の発言録615巻の中から毎日新聞が当該部分の記述を翻訳・確認し、判明した。【田中裕之、ソウル坂口裕彦、渋江千春】 韓国語版のみ全615巻の発言録 晋太郎氏の息子で、今年7月の銃撃事件で凶弾に倒れた安倍晋三元首相がいつ、どのように教団と深い関わりを持ったかについてはなお謎が多い。晋太郎氏の義父・岸信介元首相と文氏との間で築かれた関係が源流にあるとされるが、その後を継いだ晋太郎氏を足掛かりにした教団の政界工作が、教祖の肝いりで模索されていた可能性が浮かんだ。 発言録は、韓国の教団系出版社「成和出版社(現・天苑社)」
性犯罪規定見直しの試案について議論した法制審議会の部会=東京・霞が関で2022年10月24日午前9時53分、山本将克撮影 法務省は24日、性暴力被害の実態に応じた法制度の見直しを議論している法制審議会(法相の諮問機関)の部会に対して、これまでの議論に基づいた法改正試案を示した。性的行為に同意する能力があるとみなす「性交同意年齢」を13歳から16歳に条件付きで引き上げ、性犯罪の公訴時効を原則5年延ばすなどの案を盛り込んだ。 試案は、性犯罪の規定全般を見直す内容。若年層の性被害も意識しつつ、より被害者に手厚い保護を図った。ただ、非公開で行われた24日の会議では、試案内容について被害者側から「国民から見て分かりにくい」、法改正に慎重な弁護士側からも「処罰範囲が広がる」とする意見がそれぞれ示されたといい、部会は試案をベースに今後も議論を継続する。
記者団の質問に答える山際大志郎経済再生担当相=国会内で2022年10月21日午前8時40分、竹内幹撮影 山際大志郎経済再生担当相は21日午前の記者会見で、インターネット上に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子(ハンハクチャ)総裁と写った写真が掲載されたことについて「私が団体代表と集合写真に写っていることを確認した」と述べ、撮影の事実を認めた。 山際氏の事務所によると、写真は2019年10月5日、名古屋市内…
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く