小田嶋隆さんが他界したその日(2022年6月24日)、私は新型コロナに罹った。 そのため翌週末に催されたお別れ会にも参列できず、自宅にこもり、ひとり悲しみに暮れるほかなかった。6月末、自社のウェブ雑誌の毎月末にその月をふりかえるコーナー(「今月と来月」)で、私はこう綴った。 47歳の誕生日を迎えたその日に僕はコロナになり、小田嶋隆さんがお亡くなりになった。数日間、ひたすら寝て過ごした。幸い、軽症で済み、体調が戻ってきた今週はずっと悲しみに暮れている。悲しみを実感するにも、ある程度の体力が要ることを知った。 小田嶋さんに出演いただいたイベントを見直したり、小田嶋さんが影響を受けた音楽や本たちを粛々と追っている。創業期からお世話になった方だが、ただの一つも嫌な思い出がない。ほんの少しであれ気分を害するような経験をしたこともない。不思議なことに。 少年のようなおじさん。そう称されるのをしばしば耳
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