だが、「考えてみれば自分は何らかのタイムを競っている職業ドライバーではないし、走行時の快適さも(過剰には)求めていない」と思うのであれば、貴殿が最新のポルシェを選ばねばならない理由は、実は特にない。最新のそれと比べれば多少遅く、いささか快適ではない部分もある「ちょっと古いポルシェ」だって構わないわけだ。 例えば、タイプ964と呼ばれる4世代前のポルシェ911である。 ポルシェ911は、まずは「901」という車名で1963年に発表され、その後すぐに商標の関係で車名を「911」へと変更。フルモデルチェンジを重ねながらも「リアエンジン/リアドライブの、実用的にも使える超一級のスポーツカー」という根本は不変なまま、現在まで製造販売が続けられている稀代の名車だ。 タイプ964は、大きく分けるならば3世代目の911として1989年に登場したモデルで、空冷エンジン搭載のポルシェ911としては最後から2番