「メモリースポーツ」という競技がある。限られた時間の中でできるだけたくさんの内容を覚える、記憶力の高さを競う頭脳スポーツだ。 そのチャンピオンたちは、わずか数分のうちに数百もの単語や数字、あるいは抽象的な情報を記憶することができる。こうしたバツグンの記憶力を発揮する頭の中身は一体どうなっているのか? オランダの認知神経学者は、この謎を解き明かすために記憶力選手権の世界チャンピオン23名の脳を検査した。その結果、普通の人でも記憶力をブースト(底上げ)させることができる記憶術が解明された。 この記憶術は古来から伝わるものだが、今回の研究でその効果が確認されたのである。それは「記憶の宮殿」と呼ばれるテクニックだ。 記憶力世界チャンピオンたちは特殊ではない 世界チャンピオンたちの脳をMRIで調べたのは、ラドバウド大学(オランダ)の研究グループだ。 彼らによると、意外にもチャンピオンたちの脳は、解剖