鳥取県八頭郡智頭町(ちづちょう)。決して交通の便が良いとは言えない田舎のパン屋「タルマーリー」に、県内のみならず日本全国、そして海外からも客が訪れる。人気の秘密は、店主の“究極の発酵”へのこだわりと、彼がポスト資本主義として掲げる“腐る経済”の追求だ。ようこそ、鳥取の山の中で息づく“菌本位制”の世界へ──。 「食」と「職」の豊かさを守るために 鳥取市内から車で50分ほど。電車だと1時間半はかかる山奥に、渡邉格(いたる、46)と妻の麻里子(39)が営む話題のパン&クラフトビール屋「タルマーリー」はある。 こだわりの自家製天然酵母で作るパンとクラフトビールの店で、カフェも併設。廃園になっていた保育園を改装して造ったという、どこかレトロ感も漂うこの店に、土日には東京や大阪など遠方から客が押し寄せ、さらに韓国や台湾など海外からの客足も絶えない。
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