「夏の甲子園、中止――」 5月20日、清原和博はこのニュースを自宅のテレビで見た。そして泣いたという。 「なんというか……、言葉にならなかったです。その後、高校球児たちが泣いているところが映されて、それを見てたら、涙が出てきました。自分が甲子園に出たとか、ホームラン記録をつくったとか、そういうものさえ無くしてしまいたい。彼らに申し訳なさすぎて……。そんな気持ちになりました」 清原が涙したのは、その喪失の大きさが想像できるからだという。 「世の中の人たちは、高校3年間の集大成が失われたと思うかもしれませんが、ぼくはどうしても自分が甲子園に辿り着いた道のりを思い浮かべてしまうんです。9歳からリトルリーグで野球を始めて、夏休みにブラウン管の中に映る甲子園に憧れて、あそこに行きたいという夢を抱きました。野球少年にとっては人生最初の夢なんです。そのために監督、コーチに殴られて、お母さんには朝早くから
![清原和博、甲子園中止への思いを語る。「一緒に泣くことしかできない……」(鈴木忠平)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b523eaddc7118b089d98c74fa410156e026aeee5/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2Fd%2F-%2Fimg_fd4a4f3b03bdfbf7cd778637e00e05c1163532.jpg)