近年、人工知能(AI)と並行して、ブレイン・コンピュータ・インタフェース(BCI)の研究が進められている。BCIを通じて人間の脳をコンピュータに接続することで、脳の電気信号を読み取り、コンピュータを制御することが可能となるなか、神経系疾患の診療に変化が起きている。 統合失調症は原因不明の病気であり、日本国内では100人に1人が罹っていると言われる。進学や就職など人生を大きく左右する出来事をきっかけに心のバランスを乱し、長期療養に至るケースは少なくない。 確実な治療法が見出されないからこそ、予測診療に注力しているのが米IBMだ。同社のアルバータ先端研究センター(CAS)と現地のアルバータ大学は、AIや機械学習ベースの “コンピュータ精神病理システム”を構築。この診断システムにより、74%の精度で統合失調症の発症を予測可能であるという。症状が似ているうつ病やアルツハイマー病と混同せず、いかに正