「自宅で飲むのは芋焼酎。炭酸で割って一晩寝かせる“炭酸の前割り”が最高ですね」噺家・桃月庵白酒は落語もお酒も自在にアップデート〈赤兎馬噺 私の本格 第二席〉 SEKITOBA STYLE #2 艶のある美声が繰り出すキレのよい江戸言葉と、チラリと毒をしのばせた現代感覚のアレンジで、古典落語の登場人物を今という時代にいきいきと描き出す落語家、桃月庵白酒さん。鹿児島から上京して大学に進学し、落語研究会に所属するもモラトリアムともいうべき日々を過ごしていたが、先輩に連れていかれた落語会で五街道雲助師匠の芸に惚れ込み、運命が一転。1992年に念願の弟子入りを果たし、とんとん拍子で前座、二つ目と昇進、2005年には真打に昇進して三代目桃月庵白酒を襲名した。どんな噺でも客の期待を決して裏切らない実力は、年間650もの高座で笑いをとってきた努力と経験に裏付けられている。 「文春落語」でもお馴染みの人気落