「あった」「なかった」の論争はいつどこの世界にも存在する。たとえば「幻のソフトドリンク」といわれ、10年ほど前に大論争となった「ファンタ ゴールデンアップル」。日本コカ・コーラ社が「なかった」と公式発表を行い、幻の味を再現した「復刻版」が発売されて話題になったが、それでも「コカ・コーラ本部が知らない地方版として存在した」「復刻版ができたからにはレシピがあったのでは?」とくすぶっていたらしい。 「あった」「なかった」論争は鉄道の世界にもある。そのひとつが、2階建て新幹線車両を使った長野新幹線「Maxあさま」だ。 結論からいえば、「Maxあさま」は実在した。2階建て新幹線車両E4系を使用し、2001年7月から2003年9月までの約2年間、おもに夏季の多客期に運行されていた。だが、運行日数が少なかった上に、軽井沢駅発の上り列車しか設定されていなかった。 長野新幹線といえば、高崎駅から長野駅までを