足利事件で無罪が確実になった菅家利和さん(63)の再審で、弁護側が宇都宮地裁に求めている取り調べ録音テープの法廷での一部再生について、検察側は反対姿勢を崩さないものの再生するなら一部でなく全部するよう求める方針を固めたことが28日分かった。捜査関係者が明らかにした。 捜査関係者によると、検察側はテープの証拠調べを「菅家さんは無罪なので必要がない」としているが、仮に証拠採用された場合「すべて再生すれば、自白には任意性があり誘導でないことが証明される」としている。弁護側は「菅家さんの自白に任意性はない」として、21日の初公判でテープの証拠調べと取調官の元検事の証人尋問を求めた。 録音テープは栃木県警と宇都宮地検が別の二つの女児殺害事件で菅家さんを取り調べた際のもので、15本、約25時間分ある。